下水湯│鶏の内臓スープ

難易度:☆ 調理時間:30分以内
台湾の伝統料理『下水湯│鶏の内臓スープ』のレシピを紹介します。内臓を煮込んだスープで台湾では夜市などで食べられます。

実物を知らない人が『下水湯』という料理名を見ると絶対に食べたくないと思うことでしょう。それほど名前のインパクトが強い料理です。日本だと下水道のイメージしかありませんが、「下水」は台湾語で家禽の内臓を意味します。台湾語で「Ha-sui」のように発音し下水は当て字です。台湾だけの特殊な用法で、通常中国語で「下水」と書けば、「水に下る」即ち「進水する」の意味が第一に来ます。

これだけ日本から多くの観光客が訪れているので、別の漢字で書き換えれば売り上げも伸びると思うのですが、なぜかそこまではやらないようです。筆者としては「夏水湯」とかでいいと思うんですけどね。

さて、たまには台湾語の話題でも。この『下水湯』で使われている「下」の字、実は台湾語で4つ(またはそれ以上)の音があります。一番よく使われるのが「放」の意味で使われる「He」という音で、この料理名のように上下を表す場合の「Ha」という音と合わせて、この二つが漢字の方言音といわれるもの。また午後を表す「エボー」のように、残りの半分を表す接頭辞の「E」に当てたり、更には「Ke」という音に当てたりして使われることがあります。

台湾語には文字がない単語が多いため、このような混乱が生まれます。政府が推薦する書き方のようなものも一応あるんですが、まだ統一はされていません。「大学」とか「政治」とかの漢字由来単語はそのまま方言音で読めばいいのですが、「あさ(朝)」とか「もの(物)」とかの日本語でいう大和言葉の部分には音と意味が似たような漢字を無理やり当てはめるしかないわけです。台湾語って何?という方に説明するのは非常に難しいのですが、ひらがなが開発される前の日本語を外国人が勉強するようなものだと考えればいいでしょうか。ただし音の数は日本語の50倍ほどで、それぞれに8種類の声調があります。言語学者さんらの苦労が偲ばれますね…。

それはさておき、日本人の友達同士で台湾を初めて訪れた場合など、『下水湯』は頭では分かっていもなかなか注文する勇気が出ないかもしれません(笑)。レシピを見つけられた方は、ぜひ日本で一度食べてみてから台湾で本物の『下水湯』を味わっていただきたいと思います。下の写真の通り普通のスープです。


[材料]
鶏砂肝 ……… 70g
鶏心臓 ……… 70g
鶏肝 ……… 70g
ショウガ ……… 20g
ネギ ……… 30g
水 ……… 適量


[調味料]
塩 ……… 適量
酒 ……… 大さじ1

[作り方]
1.鶏砂肝、鶏心臓、鶏肝をそれぞれよく洗い、薄切りにしておく。ショウガは千切りにしておく。ネギはみじん切りにする。

2.鍋にお湯を沸騰させ、作り方1の鶏砂肝、鶏心臓、鶏肝を茹でて火を通す。火が通ったら取り出しておく。

3.別の鍋に水を八分目ほどまで入れ、作り方2で火を通した鶏砂肝、鶏心臓、鶏肝を入れて沸騰させる。沸騰したら作り方1のショウガとネギを加え、塩と酒を加えて味を調える。蓋をして10分ほど中火で煮込んだら完成。

Point!
鶏砂肝、鶏心臓、鶏肝の比率は何でもかまいません。鶏の小腸や腎臓などを入れても作れます。好きなものを200-300gほど使って作りましょう。鶏以外でも鴨、アヒルなどの内臓も使えます。また豚のモツを加えることもあります。好みの動物の内臓を適当に配合して作りましょう。

レシピのスープはシンプルにしていますが、好みで味の素を少量加えたり、鶏がらのスープを使ったりしてみましょう。

意外と貝類との相性がいいスープです。シジミやホタテを入れるとよりおいしいスープになります。お試しください。

『四神湯』の材料を使って下水湯を作るお店もあります。材料が手に入る方はお試しください。

麺を加えて食べることもあります。


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