猪血湯│豚血スープ

難易度: (材料入手による) 調理時間:30分以内
初めて見る人は必ず驚く「猪血(豚の血に加水加塩して固めたもの)」を具に作る『猪血湯│豚血スープ』のレシピを紹介します。基本はとんこつで取ったスープで作りますので、まさに豚尽くし!の料理です。夜市の定番料理でもあります。

「猪血」は新鮮な豚の血に三倍量の水と少量の塩を加えて軽く加温して固めた食材です。市販品は少量のゼラチンを加えて固めていますが、新鮮な血を使っていれば塩を加えるだけで固まります。もともとは四川省の地方料理(食材)でしたが、今では中国全土、台湾やシンガポールなどでも普通に食べられます。具の発祥が四川省なので、これを使った料理はすべて四川料理に数えられます。

「猪血」はいわゆる血小板の凝血作用を利用して固まっています。コラーゲンと架橋したvWFという物質が血小板と結合し、血小板が活性化されてさらに架橋を促し、その網構造に赤血球などが引っかかって…という原理で血は固まっていきます。猪血はこれらのたんぱく質の立体構造に水が取り込まれたものです。水はたんぱく質と結合しているわけではないので、いつ触っても表面はしっとり、力を加えると架橋が破壊される方向に割れます。その触感はプルプル、クニクニ。見た目はグロいですが、高たんぱく低カロリーの健康食材で、台湾では鍋の具として人気があります。貧血にもよさそうですね。

派生品として台湾には「鴨血」もあり、こちらは鴨の血で作ったものです。原理上動物の血なら何でも作れると思いますが、なぜか牛や鶏の物は見たことがありません。固まり方に違いがあるのでしょう。

日本ではなかなか猪血は売っておらず、自作にも"新鮮な豚の血"が必要なので、再現は難しいかもしれません。台湾訪問時に是非お楽しみください。

ちなみにこの猪血、中国医学では肺の気を調え、気持ちを落ち着けるという効能があります。のどが渇く、ヒステリックだなどの症状に悩まされている方には効果があるかもしれません。



[材料]
猪血 ……… 600g
白菜漬物 ……… 150g
ニラ ………120g
中華スープ ……… 1200g
 (基本はとんこつベースに、カツオ節などを加える)

[調味料]
酒 ……… 大さじ1
塩 ……… 小さじ2
胡椒 ……… 少々

[作り方]
1.猪血を厚切りにし、沸騰したお湯で茹でて火を通しておく。

2.白菜漬物を千切りにする。ニラを長さ3㎝ほどの長さに切る。

3.中華スープを沸騰させ、白菜漬物を入れて5分ほど煮る。これに猪血を加えてさらに3分煮込み、調味料を加えて味を調える。火からおろす直前にニラを散らして完成。

Point!
中華スープを骨付き豚バラ肉などで作り、スープに骨付きの肉を一緒に入れてもよいでしょう。

モツを一緒に煮込んだ『猪血大腸湯』、白菜漬物の量を増やした『酸菜猪血湯』など多くの派生料理があります。


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