繼光餅│馬祖バーガー

難易度:☆ 調理時間:1時間以内+下準備
台湾馬祖地域から福建省にかけての名物料理『繼光餅│馬祖バーガー』のレシピを紹介します。台湾名物の『オーアーチェン 』をバンズに挟んで食べるだけの料理で、今回はバンズの作り方を紹介します。『オーアーチェン 』の作り方は過去記事を参考にしてください。台湾本土と福建省では『オーアーチェン 』の作り方に違いがあるので、それがそのまま料理の地方差となります。

オーアーチェン│カキオムレツ』の作り方はこちら(リンク先に台湾風、福建風どちらの作り方もあるので、好きなほうを作ってください。)。

『繼光餅』は馬祖地域の伝統料理で、別名を『夾光餅』、『鹹光餅』、または簡単に『光餅』などと呼び、福建料理の一つに数えられます。台湾では馬祖地域を代表する軽食とされ、当地を訪れる観光客に人気があり、馬祖漢堡(媽祖バーガー)や馬祖貝果(媽祖ベーグル)などとも呼ばれています。台湾本土では福州料理のレストランでも定番メニューとして食べることができます。

結構歴史ある料理の一つで、元々は軍の兵糧として開発されたものだそうです。最初期のものは現在のようにゴマが乗っていたわけでもパンのようにフワフワしていたものでもなく、乾パンのように固く、行軍時の携帯性と保存性を追及したものであったそうです。あまりおいしくはなさそうですね。

初期のものはあまりにも固く、時に兵士らの便秘の原因となったためいつからかゴマを振るようになり、名前も『麻餅』と呼ばれるようになりました。この『麻餅』は明末に開発されたそうですが、同じ時期に台湾海峡で倭寇との戦闘で活躍していた名将戚繼光(1528-1588年)の名前を取って『繼光餅』とも呼ばれるようになりました。日本は戦国時代、倭寇が台湾海峡辺りで暴れまくっていた時代ですね。

この福建省の軍人らの携帯食は四方八方に伝わっていく過程で様々な派生料理を生み出しました。甘い『征東餅』やご存知『胡椒餅』もその仲間です。

馬祖や福州には『繼光餅』の名店が多数ありますが、そのほとんどが焼き方や生地の配合に工夫を凝らした独特のもので、レシピは門外不出のものとされています。
ちなみに名前の由来ともなっている戚繼光は日本刀を参考に「繼光刀」と呼ばれる刀を作り、当時最新鋭の武器「鳥銃」や「フランキ砲」を活用し、攻防どちらにも長けた『鴛鴦陣』と呼ばれる陣を編み出しました。中国の軍史に陸海上問わずに戦略、戦術に長けた名将として名を残しています。

中に挟むのは『オーアーチェン』に限らず、福建省の肉料理なら何でもOKです。当ブログを「福建」などのキーワードで検索してみて、色々と試してみてください。


[材料1](バンズ)
薄力粉 ……… 120g
中力粉 ……… 200g
水 ……… 80g
ドライイースト ……… 6g
砂糖 ……… 4g
塩 ……… 4g
ゴマ ……… 適量

[材料2]
オーアーチェン ……… 1枚

[下準備]
1.オーアーチェンを作る。

[作り方]
1.薄力粉と中力粉をボウルにふるい入れ、ドライイースト、砂糖、塩を加える。これに少しずつ水を加えながら表面に光沢が出るまで混ぜ合わせる。生地が出来たらラップか濡れ布巾をかぶせ、大きさが約2倍に膨らむまで発酵させる。

2.打ち粉をしたまな板の上で作り方1の生地を伸ばして三枚に折りたたみ、更に伸ばし、コップのふちなどで円形に型を抜く。

3.耐熱クッキングシートを敷いた天板に作り方2の生地を並べ、表面に卵液(分量外)を塗りゴマを散らす。このまま生地を30分最終発酵させる。

4.180度に予熱したオーブンで作り方3の生地を20分焼く。できた生地の中間に切れ目を入れ、適量のオーアーチェンを挟んで完成。

Point!
簡単に作りたい人は、ハンバーガーのバンズを買ってきてトースターで焼いて使いましょう。ベーグルやトーストでもよいと思います。

バンズはドーナツのように油で揚げて作るのが本来の作り方なのですが、近年は健康志向の高まりもあってオーブンで焼いたバンズが一般的になりました。

揚げて作っていた時代の名残で、ドーナツのように真ん中にちょこっと穴を開けて作るのが一般的ですが、オーブンで焼くなら穴なしで作れます。


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