東江豆腐煲│広東風豆腐土鍋煮込み

難易度:☆ 調理時間:1時間以内
広東料理の名菜『東江豆腐煲│広東風豆腐土鍋煮込み』のレシピを紹介します。豆腐と豚ひき肉をメインに、とろみのあるスープと土鍋で煮込んだ料理です。とても豪華でおいしいのでぜひ再現に挑戦してみましょう。

料理名にある東江とは広東省を流れる河川の名前です。上中流に巨大なダムがあり、現在香港への飲料水のおよそ70-80%がこの東江から引かれているといいます。残りの2割の水は香港は自前でまかなっているようです。

東江からの導水が完了するまでの1960年まで、香港はすべての飲料水を自前でまかなっていました。もちろん足りるはずもなく60年代の香港は慢性的で深刻な飲料水不足に陥っていました。そのためあの小さな香港には規模は小さいですが多くのダム、貯水池があり、昔からの香港住民は屋上に雨水をためる樽を多数準備しておく習慣があるのだとか。小さな島同士を連結して、海上に巨大な淡水貯水庫(船灣淡水湖や西貢糧船灣洲)を作ったり、ダムの数を増やしたりといろいろな工夫のあとが見られます。

それでも人口増加による水需要増大にダムの水量が追いつかなくなってしまったため、1960年に東江から水を引く契約をし、運河を建築して淡水をひきこむことになりました。現在に至るまで毎年莫大な金額のお金を飲料水代金として支払っているそうですが、上流の環境破壊による水量の減少に悩まされているそうです。

香港の水需要は現在においてもかなり逼迫しているようで、トイレには海水由来の塩水を使うなど数々の工夫がなされています。上水道のシステムが飲料水用とトイレの塩水用で二系統あるというのですから水不足は深刻なようです。このため香港では海水の淡水化や雨水を効率的に収集する方法、植物からの飲料水採取技術などの先端研究が進んでいます。

香港を訪れることがあったら、どうやって水を調達しているかに注目してみると面白そうですね。

ちなみに筆者は本来明日から週末まで香港へ出張の予定でしたが、 急遽キャンセルになってしまい悲しんでおります(笑)。しばらく筆者のわがまま広東料理にお付き合いください。


[材料]
白菜 ……… 800g
木綿豆腐 ……… 4丁
豚ひき肉 ……… 120g
魚の干物 ……… 100g
ショウガ ……… 10g
ネギ ……… 10g 
中華スープ ……… 500cc
 (鍋の大きさによって量を変える)

[調味料1]
塩 ……… 小さじ1/2
水 ……… 大さじ1
砂糖 ……… 大さじ1/2
卵白 ……… 半個分
コーンスターチ ……… 小さじ1
胡椒 ……… 少々


[調味料2]
味の素 ……… 小さじ1/2
水溶き片栗粉 ……… 大さじ3
 (スープの量によって変える)
ごま油 ……… 少々

[作り方]
1.白菜をよく洗ってから葉を取り外し、芯の部分を切り落として葉の部分を140度の油にくぐらせる(→Point参照)。芯に近い部分が柔らかくなったら引き上げて油を切り、土鍋の底にひいておく。芯の部分はみじん切りにし、柔らかくなるまで炒めてから鍋の底に入れておく。干し魚の身をほぐし、フライパンで香ばしい香りがするまで炒めて火を通しておく。

2.木綿豆腐を中央から二つに切り分け、側面にスプーンなどで豚ひき肉を乗せる深さ2cmほどの穴を掘る。

3.豚ひき肉に塩と水を加えて粘りが出るまでよく捏ね、更に砂糖、卵白、コーンスターチ、胡椒を加えてよく混ぜ合わせて肉餡を作る。

4.作り方3の肉餡を作り方2の木綿豆腐の穴に盛りつけ、作り方1の土鍋の底に敷いた白菜の上に並べておく。周囲に作り方1の干し魚の身を散らし、中華スープを入れて土鍋を火にかける。沸騰したら味の素を加えて味を整え、水溶き片栗粉を加えてスープにとろみを付ける。スープにとろみが付いたら蓋をして弱火で30分ほど煮込み、最後にごま油を散らして完成。

Point!
白菜の甘みを完全に利用しつくすため、茹でるのではなく揚げて火を通しておきます。面倒くさい方は茹でて火を通してもかまいませんが、少し味が変わってしまいます。

豆腐はなるべく固めのものを用いるとよいでしょう。

スープには好みで豆類を入れたり、薄い粥にしたり、薬材を加えて薬膳にしたりと色々なアレンジがあります。


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