大救駕│お助けパン

難易度:☆ 調理時間:1時間以内
料理名を見ても意味が分からないかもしれませんが、本当にこういう名前の料理です。安徽省の名物『大救駕│お助けパン』のレシピを紹介します。安徽省と雲南省でまったく同じ名前の別々の料理があるのですが、今回は安徽省版のレシピです。パイ生地状のパンに餡を包んで揚げて作ります。

安徽省の『大救駕』は特に雲南省の同名料理と区別して呼ぶ場合は『(安徽)油炸大救駕』と呼びます。雲南省のものは『(雲南)騰衝大救駕』です。どちらも皇帝の命を救ったことから命名された料理で、数多くの伝説があります。

今回は安徽省バージョンなので、安徽省の『大救駕』にまつわる伝説を紹介しましょう。

『大救駕』は安徽省壽縣一帯に伝わる伝統料理です。伝説によると956年、周の世宗が淮南地方を攻めた時に大將である趙匡胤は9ヶ月かかけてやっとのことで城を一つ落としました。攻城には成功したのですが、趙匡胤はあまりの疲労のため落城後すぐに病気にかかってしまいました。何を食べても吐き戻してしまい、まったく栄養が取れない状態になってしまったと言います。

この時軍の料理人は彼の体力を回復させるため、小麦粉と砂糖、干しミカンなどを使って簡単な揚げ菓子を作りました。料理人が趙匡胤の元に料理を持ち込むと、その香ばしい香りに臥せっていた趙匡胤は体を起こし、すぐに一口食べたといいます。咀嚼するたびに口の中に広がる柑橘類の酸味と砂糖の甘味、趙匡胤は出来上がった菓子をゆっくりと平らげ、しばらく休むと体はすっかり回復していました。

趙匡胤は料理人にいたく感謝し、多くの褒美を取らせたといいます。この時に作られたお菓子は、大将が病で動けなかった軍を救ったということで『大救駕』と名付けられ、今に伝わり多くの人に愛されることとなりました。安徽省だけでなく淮河河口一帯ならどこでも食べることができますが、安徽省のものが特に有名です。

たまにはこういう中華点心を自作してみるのも楽しそうですね。

ちなみにかなり珍しいですが「大救駕」という同名の生薬もあります。日本の園芸店などでもおなじみのアカバナ科ヤナギランという植物の根茎がそうです。日本ではほとんど薬用に使いませんが、打撲や不眠症に使ったりします。日本の北部地方には自生していますし園芸店でも手に入るので、園芸ファンは手に入れて鑑賞するのもよいでしょう(笑)。

もちろん料理にも挑戦してみてください。それではレシピです!一軍を救った菓子『大救駕│お助けパン』をどうぞ!



[材料1]
小麦粉 ……… 250g
ラード ……… 180g

[材料2]
小麦粉 ……… 600g
水 ……… 180cc
サラダ油 ……… 15cc

[材料3]
砂糖 ……… 400g
ママレードジャム ……… 100g
スライスアーモンド ……… 20g

[作り方]
1.材料1と材料2をそれぞれ別々に混ぜ合わせ、生地1と生地2を作る。生地1と生地2をそれぞれ細長く延ばし、16-18等分する。生地2をドーナツ状に延ばし、中心に生地1入れて上から麺棒などで伸ばして平たい楕円形の生地を作る。

2.作り方1の楕円形の生地を短いほう(短径)から中央に三つに折りたたみ、麺棒で軽く伸ばしてから長径に沿ってくるくると丸めて円筒を作る。これをすべての生地について行う(→Point参照)。

3.材料3を混ぜ合わせて餡を作る。

4.作り方2の円筒形の生地を中央で二つに切り、それぞれを軽く潰して中央に適量の餡を乗せる。案を載せたら生地を包んで閉じ、中央を軽く押さえてへこませておく。これをすべての生地についておこなう。

5.鍋に揚げ物油を150度まで熱し、作り方4の生地を入れてきつね色になるまで揚げる。火が通ったら取り出して油を切って完成。

Point!
生地1と生地2は同じ数で等分しましょう。生地を作っているときは、できた生地の上に濡れ布巾をかぶせて乾燥を防いでください。

生地の折り方にコツがあるのですが、文章でよく分からない場合は以下の画像を参考にしてください。


それでも分からない場合はメールでお問い合わせを…(笑)。

餡は好みでいろいろなものに代えてみてください。



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