紅酒燉牛肉飯│ビーフシチューご飯

難易度:☆ 調理時間:1時間以内
たまには西洋風の料理にもチャレンジ!洋風『紅酒燉牛肉飯│ビーフシチューご飯』のレシピを紹介します。台湾の高校や大学の食堂ではおなじみのメニューで、一年を通して人気があります。

中国語で言う「紅酒」とは一般的にはいわゆる「赤ワイン」を指します。中国語学習者にはとても基本的な単語なのでご存知の方も多いことでしょう。

ところで台湾では紅麹を使って作る「紅酒」という醸造酒が伝統的に製造されているのをご存知でしょうか?紅麹を使って作るので文字どうり赤い色がついており、健康に良いということで古くから台湾人に愛されてきた特殊なお酒です。今回はこの台湾の「紅酒」について解説してみます。

ちなみに紅酒ではさすがにワインと紛らわしいので、現代では「紅露酒」とも呼ばれます。(以下の文脈では紅酒を紅露酒の意味で用います。)

紅酒は台湾を代表するお酒の一つです。伝説によると明清代に福建省安渓の移民らにより台湾にもたらされたとされ、古くから台湾の漢人らに「長命酒」として愛されました。通常は出来たてをすぐに消費しますが、1-2年以上保管すると中の色素が変質し、美しい黄金色のお酒に変わります。この長期間保存した紅酒を特に「老紅酒」と呼び高級品として流通します。

日本統治時代に酒は総督府の専売制となり、各地の酒工場は総督府の監督の下醸造技術の向上に努めました。日本統治時代に台北各地にあった中華料理店ではこの紅酒が非常に人気で、特に始めて台湾を訪問した日本人を迎えるためのお酒として清酒とあわせて紅白酒と呼び大いに消費されたそうです。また新しい家屋の落成などの祝い事にも紅酒が使われたそうです。

神戸大学のデータベースで1922年の台湾日日新聞のスクラップが読めます。当時の日本人が台湾の紅酒を愛していたことが分かる記事ですので抜粋してみます。

台湾の酒

其名も響の好い紅酒[あんちう]

滋養に富み経済的で年産実に二千万円


支那民族の間に酒に関した詩歌文集が数多くあるのを見ても分るが我台湾の酒とても却々発達したものがありそして言い合した様に滋養になる酒を製り出そうと しているのは一寸変っている、支那中興の昔から今日に及んでいると云う紅酒は代表的の台湾酒で計画中の専売案も紅酒を目当にと云うのである、内地から来る人の誰れでも案内される江山楼、春風得意楼、東薈芳なんどの台湾料理屋では先ず此の紅酒を勧められる、紅酒は其名の如く薄紅で何となく甘そうであるが一度 之を口に含めば恰もウヰスキーの如く又は鹿児島焼酎の如き味がする酒精分が可なり強いが何人でも飲ぶやすい、紅酒の醸造は至極簡単なもので一口に云えば清 酒醸造用の糯米を蒸し之に糀を交ぜて醗酵させ汁を搾り取って再製するもので夏は八箇月、其他の気候では一年以上を要する糯米は醗酵し易くそして滋養分の多 いもの程多く使われる。斯くて出来上がったのが紅酒で更に古くなったものが老紅酒となる老紅酒に滋養になる或る薬品を入れて製ったものが薬酒と称して営養 不良の者が飲むに適する又事実営養不良者の飲用の酒として製造するのだから面白い、恐らく百薬の長なんどは此辺から起ったものであろう普通広く飲用される のは老紅酒で一合十銭で非常に安くてしかも甘いと云うのだから飲まずにいられない訳である、紅酒と云えば今では左党の内地人で知らないものはない、知らない所が盛んに使用されている近頃では『黄菊』なんて内地風の粋な名前を附けて売捌かれている、年産二十万石であるが市場売買は普通斤を単位として売られ一石は三百斤、百斤三十円位と云うから二十万石の六千万斤、価格千八百万円の売上高に上る訳で素晴らしいものだ、紅酒醸造業者は二百箇所以上あり従業人員は 二千人以上に達する、小売は大概製造者の兼業になっているが紅酒丈けで生計を立てている台湾人は更に多数ある訳だ、台湾総督府研究所の化学的試験に依れば 紅酒は内地酒より遥かに良いと云うて居る、其理由は(一)滋養分を含んでいる、(二)経済的である此二点に或る其名も何となく心地よく響いてアンチュウ之 れほんとにおいしいお酒のようである、専売となれば更に品質が統一せられて優良なるものが醸造され内地に移出される事になるかも図られない内地の左党の諸 士は是非台湾に来られたならば先ず一杯を試みられん事を希望する
(ここまで、赤字筆者、参照URL http://www.lib.kobe-u.ac.jp/das/jsp/ja/ContentViewM.jsp?METAID=00059186&TYPE=IMAGE_FILE&POS=1)

記事は1922.1.23(大正11年)の台湾日日新報からです。台湾では1909年から紅酒の大型工場が作られて居ましたが、この年1922年から総督府による紅酒の専売が始まりました。専売となった直後のためメディアを通じて大いに売り出しを考えていたのでしょう。広告っぽい内容なのが面白いですね。

最近の紅酒はボトルのデザインも非常に凝ったものが多いので、贈答用だけでなくインテリアにもおすすめです。空港の免税店でも買えますが、台灣菸酒股份有限公司の工場、特に宜蘭の工場では色々な種類の紅酒を直売価格で購入できます。お酒好きなら観光の合間に足を運んで見ましょう。

100年前の日本人も魅了された台湾の紅酒、お土産にいかがですか?

※今回の料理では普通のワインを使います。 

[材料]
牛サーロイン ……… 300g
タマネギ ……… 1/2
ニンジン ……… 100g
ジャガイモ ……… 1個
ニンニク ……… 3個
ネギ ……… 40g
白ご飯 ……… 1碗

[調味料]
赤ワイン ……… 350cc
水 ……… 500cc
塩 ……… 少々
胡椒 ……… 少々
バター ……… 20g
月桂葉 ……… 2枚
ローズマリー ……… 一つまみ

[作り方]
1.牛サーロインをさいの目に切り、沸騰したお湯にくぐらせてアクを抜いておく。

2.ジャガイモの皮を向き、一口サイズに切る。ニンジンをいちょう切りにする。ネギをぶつ切りにする。ニンニクをみじん切りにする。

3.熱した鍋に少量のオリーブオイル(分量外)をひき、作り方1の牛サーロインと作り方2の野菜をすべて入れて中火で火が通るまで炒める。

4.作り方3の鍋にすべての調味料を入れ、沸騰したら蓋をして中火で20分煮込む。ジャガイモに火が通ったら、白ご飯と共にた器に盛りつけたら完成。

Point!
いわゆる『シチュー』のような料理です。赤ワインのアルコールは完全に飛ばしましょう。

50ccほどのブドウジュースを加えてもおいしくなります。ミックス野菜ジュースでも風味が増すので、おすすめです。


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