梅滷鯉魚│コイの梅煮込み

難易度:☆ 調理時間:30分以内
熱い夏にはスタミナ中華!コイを使った『梅滷鯉魚│コイの梅煮込み』のレシピを紹介します。もちろんコイ以外の魚でも作れます。

コイは学名を Cyprinus carpio といいます。中国では非常に古くから食用にされていた魚の一つで、観賞用としても非常に人気があり三国時代には養殖技術が確立していました。日本にも伝わって錦鯉を愛でる文化が伝わりますが、中国では唐代に一度コイの養殖、調理技術が断絶したことがあります。なぜだか分かりますか?

唐朝の国姓は「李」、コイは漢字で「鯉」、どちらも中国語ではli3と発音します(おそらく古代音もほぼ同じ)。中国の王朝は皇帝の姓と同じ漢字、似た発音の漢字の使用を禁止(もしくは自主的に回避)する制度があり、唐代に鯉は国姓と発音が同じであることを理由に「販売」も「漁獲」も禁止されました(但しこれには諸説あります)。それまで鯉の養殖で生計を立てていた者は大打撃、というか鯉の養殖技術はほとんどが失われてしまい、それまであった鯉料理もほとんどが名前を残すのみで調理法方が失われてしまいました。

中国では古くから盛んに養殖される青魚(アオウオ)、草魚(ソウギョ)、鰱魚(ハクレン、レンギョ)、鱅魚(コクレン)の四種を「四大家魚」と呼び多くの中華料理に用います。これらはすべてコイ科の魚なのですが、これら四種以上にポピュラーで古代から養殖もされている同じコイ科の鯉が四大家魚に入っていないのは唐代に一度養殖の伝統が途絶えてしまったからなのです。

また鯉の字は「利(li1)」と発音が似ているため、「漁翁得利(漁夫の利)」、「家家得利」などの言葉にかけて、吉祥のモチーフとして絵画などの図案に盛んに用いられます。また「鯉躍龍門」(または「鯉魚跳龍門」)(鯉の滝登り)の伝説はアジア圏で人気があり、特に男子の成長を祈願する様々な行事の由来となっています。日本でも「こいのぼり」が有名ですね。

コイは現代の日本人が余り口にすることがなくなりましたが、栄養たっぷり、きちんと泥抜きすれば非常に美味な魚です。夏ばてにも非常に効果があるので、ぜひ手に入れて調理してみましょう。





[材料]
コイ ……… 1匹(約1200g)
梅干 ……… 10個
水 ……… 1000cc

[調味料]
梅干漬け汁 ……… 大さじ2
塩 ……… 小さじ1
酒 ……… 小さじ1
蜂蜜 ……… 小さじ1

[作り方]
1.コイの下ごしらえをし、160度に熱した油で皮がきつね色になるまで揚げる。火が通ったら取り出して油を切っておく。

2.作り方1の油を鍋に少量残し、梅干漬け汁、塩、酒、水を加えてソースを作る。これに作り方1のコイを加えて沸騰させたら、弱火にして梅干と蜂蜜を加える。そのまま弱火で水気が1/3になるまで煮込んだら完成。

Point!
コイを素揚げにするときは小麦粉などで薄く衣をつけてもよいでしょう。

コイが手に入らない場合は他の白身魚で代用してください。

コイは必ず新鮮なものを用いましょう。死ぬと臭みが出るので通常は生きたものを調理前に下ごしらえして使います。また自分で釣ったものなどは調理前日からバケツの中の水に入れて泥抜きしてから使いましょう。


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