水晶肘子│豚もも肉のにこごり

難易度: 調理時間:半日
昨日に続いて山東省の名物料理から『水晶肘子│豚もも肉の水晶ゼリー』のレシピを紹介します。豚皮のコラーゲンを利用して中華スープを固めて作るいわゆるにこごり料理です。

料理名にある「肘子」とは豚の前足、人間で言う肘の周辺の肉のことです。山東の濟南料理が発祥といわれていますがほとんどすべての中華料理体系に類似の料理が食べられます。

山東料理は中国八大菜系の一つ。略称を「魯菜」といいます。八大菜系中最も調理技巧を要求される体系であるといわれており、古代から山東料理と言えば料理人の腕を試される難易度の高い料理として有名でした。孔子や孟子、孫子など多くの著名人を育んだ料理としても知られ、山東料理の究極の目的は「食を通じて宇宙と一体化する」ことだという言葉があるほどです。

2500年ほど前から料理体系としてはまとまっていましたが、山東料理をこれほどまで有名にしたのは1500年ほど前に山東省出身の儒家、農学者である賈思勰という人が《齊民要術》という書籍を著してから。この本には当時最高峰の果樹の栽培技術、畜産技術、酢や酒の醸造法、食品の加工法、そしてそれぞれの食材を用いた料理技術が細かく記されています。この《齊民要術》は現存する世界最古の農業専門書としても有名です。もちろん古代の中華料理を研究する上でも重要な役割を果たしているのは言うまでもありません。

山東料理は明清の宮廷にも取り入れられ、近代に入って更に大きな発展を遂げました。その他の料理体系とは一風異なった高度な技法を味わってみたい方は台北にもある専門店を訪れてみましょう。…台北の山東料理レストランのメインは水餃子なのですが、サイドメニューがすばらしくおいしいです。滞在中機会があればぜひ訪れてみてください。




[材料]
皮付き豚もも肉 ……… 1500g
豚皮 ……… 250g
ネギ ……… 50g
ショウガ ……… 50g
中華スープ ……… 1500cc

[調味料]
塩 ……… 小さじ1/2
胡椒 ……… 少々
酒 ……… 大さじ1
味の素 ……… 小さじ1/4

[作り方]
1.皮付き豚もも肉を2-3個の塊に切り分け、それぞれ肉の中間部分まで包丁で切れ目を一本入れておく。豚皮をよく洗い、鍋に入るサイズに切っておく。

2.鍋に湯を沸騰させ、皮付き豚もも肉をくぐらせてアクを抜く。アクが抜けたら取り出して氷水につけ、荒熱が取れたら作り方1で入れた切れ目から塊を二つに切り分けておく。豚皮も沸騰したお湯にくぐらせてアクを抜き、荒熱が取れたら細切りにする。ネギをぶつ切りにする。ショウガをうす切りにする。

3.作り方2の皮付き豚もも肉を粗くみじん切りにし、耐熱容器の底に敷き詰めておく。更に上から豚皮、ネギ、ショウガとすべての調味料を振りかけ、沸騰させた中華スープを注ぐ。

4.作り方3の耐熱容器を容器ごと蒸篭にかけ、強火で40分ほど蒸す。蒸しあがったら箸でショウガとネギを取り出し、荒熱が取れるまで冷ましたら冷蔵庫で冷やす。スープが冷えて固まったら容器をひっくり返して中身を取り出し、食べやすい大きさに切り分けてから器に盛り付けて完成。

Point!
豚皮ごと煮込んでも煮たような料理が作れますが、今回はレシピ通り蒸して作りましょう。豚肉が柔らかいまま調理できます。

豚皮が足りない、または手に入らないときは適量のゼラチンを加えて作りましょう。

中華スープ次第でかなり味が変わります。ラーメンの出汁なんか使っても良いかもしれません。その場合は油分を掬い取ってから使いましょう。

出来上がったにこごりはできるだけうす切りにしましょう。みじん切りにしたニンニクと醤油を添えれば完璧です。

同じくらい薄切りにしたフレッシュトマトと一緒に食べてもおいしいですよ!


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