茄汁吳郭魚│ティラピアのケチャップソース煮込み

難易度:☆ 調理時間:30分以内
前回に引き続き『中餐丙級證照』シリーズから、同じくティラピアを使った『茄汁吳郭魚│ティラピアのケチャップソース煮込み』のレシピを紹介します。シンプルですが晩御飯のおかずにピッタリの料理で、ご飯が何倍も入ってしまいます。うまいです!

前回の記事ではティラピアの漢名である「呉郭魚」から呉姓と郭姓の由来を辿ってみました。割と反応があったので今回はさらに踏み込んで中国姓氏の謎に迫ってみたいと思います。

今では中国でも姓と氏の区別がなくなってしまいましたが、古代においては姓と氏は厳密に区別されていました。前回の記事で中国で最も古い姓は「姫」、「姜」など女偏の漢字を持ち母系集団をあらわすものであると書きました。これとは逆に氏は父系をあらわします。甲骨文字まで遡ると「氏」の漢字は「父+生」と書き一目瞭然です。(もっとも姓の字も古くは「人+生」と書かれましたが…。)

もともと巨大な姓という母系の集団があり、そこから各地に移住したりして土地や役職の名前を氏とした小グループが生まれていったと考えられています。
 
中国上古代は母系優位の社会が続いていきますが、文献に伝説の王朝が登場してくるあたりから父系集団が優位になり始め氏の重要性が高まってきます。春秋戦国時代に各地に残されていた礼典や宗教がめちゃくちゃになってしまったため姓と氏の区別は曖昧になり、始皇帝の時代にはまったく区別されなくなってしまいました。その後子は父の姓氏を名乗る習慣が現在まで伝わります。ちなみに姓氏の概念が日本に伝わるのはこれよりずっと後の時代で、このため日本では姓は母系、氏は父系といった使い分けがされません。

上古代の夏、商、周代の王侯貴族の間では(もちろんそれぞれ姓と氏を持っていますが、)女子は姓を、男子は氏を名乗ると言う習慣がありました(このころ庶民はまだ姓氏を持ちません)。当時の婚姻制度では、母系を同じくする同姓同士ではたとえ氏が異なろうと結婚は出来ず、氏は同じものであっても婚姻は可能でした。この同姓婚を忌避する習慣はなんと数千年経った現在でも中華圏すべてに残されています。台湾では法律上は同姓婚が可能で現代人はあまり気にすることはありませんが、老人らには強く反対されます。(他にも李姓の人は王姓の人との婚姻を避けるという風習もありますが、これはまた別の機会に…。)

中国には上古八大姓といわれる最も古い起原を持つ姓が八つあります。姜、姬、姚、嬴、姒、妘、、妊(または姞)の八つで、すべて女偏を持ちます。このうち姜姓は炎帝(神農)に、嬴、妘、姞姓は黄帝の姫姓に、媯姓は五帝のひとり舜の姚姓に、妊姓は三皇の伏羲の風姓に起原を持ちます。これだけ並ぶと女偏の漢字がすべて古代姓なのかと思いたくなるほどです。他にも娮、好などの姫姓から生まれた姓が多数あり、これらが更に分かれて現代に連なるほとんどすべての漢姓となりました。それら一つ一つの姓の分岐にまつわる物語もなかなか面白いものとなっていますので、興味がある方は調べてみましょう。中国の歴史の長さにただ衝撃を受けるばかりです。

それではレシピです。


[材料]
ティラピア ……… 1匹
グリーンピース ……… 大さじ1
タマネギ ……… 50g
ショウガ ……… 15g

[調味料]
ケチャップ ……… 大さじ5
塩 ……… 少々
砂糖 ……… 大さじ1
水 ……… 400cc
酢 ……… 小さじ1

[作り方]
1.ショウガをうす切りにする。タマネギをみじん切りにする。

2.ティラピアの下ごしらえをし、身に数本包丁を入れておく。これを180度に熱した適量の揚げ物油で素揚げにし、火が通ったら取り出して油を切っておく。

3.熱した鍋に大さじ2のサラダ油をひき、ショウガとタマネギをいためて香りを出す。続いてすべての調味料を混ぜ合わせたものを加え、沸騰したら作り方2のティラピアを入れる。中火で煮込み、ティラピアのみに火が通ったらグリーンピースを入れる。そのままスープに軽く粘りが出るまで煮込んだら完成。

Point!

スープの量が2/3になるくらいまで煮込めばOKです。煮詰まると塩辛くなるので、塩は最後に加えた方が良いかもしれません。

素揚げにせずそのまま煮込む方法もあります。

グリーンピースは色づけなので、サヤエンドウなど他の野菜で代用してもかまいません。


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