蝦仁鮮肉包│エビ肉まん

難易度:☆ 調理時間:1時間以内
麵糰│肉まんベース』を使った「○○まん」シリーズ!豚ひき肉の一部をエビで置き換えた『蝦仁鮮肉包│エビ肉まん』のレシピを紹介します。エビの食感を残しつつ、食べやすい大きさに切って作るのがポイントです。

さてさて前回から解説の続く台湾人の名前。今回は原住民の名前について解説したいと思います。

清朝による台湾統治が開始してまもなく、多くの漢人が台湾に移入しました。この時漢人らは正しい「姓名」を持たない原住民らを、家族関係を混乱させるものとして忌み嫌い、当時から平地で漢人らと共同生活を行っていたいわゆる「熟番」に潘、機、斛などの性を下賜しました。今も昔も中国の姓は皇帝から与えられたものです。清朝による支配は250年にわたり、この間に漢人とほぼ変わらぬ生活をしていた熟番らは伝統的な命名法をほぼ失いました。

しかし山地に居住していた「生番」らは漢名に改名した賽夏族を除き、全面的に伝統的な命名法を保存します。その伝統的な命名法が以下に示すものです。

阿美族: 個人名 + (母/父親名) + (氏族名) (かっこ内は部族により省略)
賽夏族: 個人名 + 父名 + 氏族名
布農族: 個人名 + 氏族名
鄒族:  個人名 + 氏族名
噶瑪蘭族:個人名 + 氏族名
邵族:  個人名 + 氏族名
泰雅族: 個人名 + 父名
賽德克族:個人名 + 父名
太魯閣族:個人名 + 父名
排灣族: 個人名 + 家屋名
魯凱族: 個人名 + 家屋名
卑南族: 個人名 + 家屋名
達悟族: Si + 個人名(子供のいないもの)
     Si aman + 長子名(長子の父) → 夏曼・○○
     Si nan + 長子名(長子の母) → 希婻・○○
     Si apen + 長子名(長子の祖父母) → 夏本・○○


個人名に父/母の名前を付けたものは、誰の子供かだけが明らかで姓の概念がありません。同姓での婚姻を避ける傾向のある中国人からすれば、非常に恐ろしく感じられたことでしょう。個人名の後に氏族、家屋の名前を付けたものは漢人の姓の概念に近いといえます。

面白いのは蘭嶼諸島に住む「達悟族」(一昔前は雅美族とも言われました)の命名法です。「名前は子供から与えられる」という風習があり、子供が生まれると家族全員の名前が変わります。これは他の台湾原住民に見られない独特の方法です。面白いですね!

清朝による支配が終わり日本統治が始まると、山野に居住していた「生番」らも版図に組み込まれ、その後始まった皇民化政策により和風の苗字を持つことになります。この辺は以下の映画やコミックを参照してください。(KANOのDVDはまだ日本で販売されていないんですね…。)



日本統治によって日本名を与えられた原住民らは同時に日本のひらがなカタカナを習得しました。それまで文字文化を持たなかった原住民らは公式には日本名を持ちながら表音文字を使って伝統的姓名(および言語)を(ある程度)保存することができたのです。また多くの日本人研究者らにより台湾原住民の言語や文化の研究が一気に進みます。それまで謎とされてきた部族や士族のつながりや分布の謎が近代的な手法により明らかにされていきました。その多くは詳細な記録が残っており、現在も参照することが可能です。

そして50年に渡る日本による統治が終わると…、大陸から国民党がやってきます。そしてこの時、原住民の姓名は壊滅的な打撃を受けることになるのですが…、これはまた次回に解説することにしましょう。

名前で辿る台湾近代史みたいになってきましたね(笑)。もうちょっとだけお付き合いください。

それではエビ肉まんのレシピいって見ましょう。


[材料]
麵糰│肉まんベース ……… 1回分(約700g)
エビ ……… 200g
豚ひき肉 ……… 400g
ショウガ ……… 20g
ネギ ………80g

[調味料]
塩 ……… 小さじ1
砂糖 ……… 小さじ2
片栗粉 ……… 大さじ1
醤油 ……… 大さじ2
酒 ……… 大さじ2
胡椒 ……… 小さじ1
ごま油 ……… 大さじ3

[作り方]
1.エビをよく洗い、食べたときに食感が残るくらいの大きさにぶつ切りにする。ボウルに豚肉、エビ、塩を入れ、粘りが出るまで良く混ぜ合わせる。

2.ネギとショウガをみじん切りにする。作り方1のボウルに砂糖、片栗粉、醤油、酒、胡椒を加えよく混ぜ合わせる。続いてネギとショウガを加えてよく混ぜ合わせる。餡の完成。

3.麵糰│肉まんベースを20等分し、上に濡れ布巾などをかけて20分ほど寝かせておく。生地が落ち着いたらそれぞれを麺棒で円形に延ばす。

4.作り方3の生地で作り方2の餡を約30gずつ包む。包んだら蒸し器に入れ、蓋をして30分ほど寝かせておく。

5.蒸し器を火にかけ蓋の隙間から蒸気が漏れ出したら、中火で15分ほど蒸して完成。

Point!
最後の発酵で生地が少し膨らみますが、この時生地同士が触れるとくっついてしまいます。隙間なく詰めるときは間にキッチンペーパーなどを挟んでおきましょう。

エビの部分を他の海鮮に置き換えると『海鮮肉包』に、タマネギに置き換えると『洋蔥鮮肉包』になります。他にも色々とアレンジが聞きますのでお試しください。


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