宋嫂魚羹│南宋風スズキのあんかけスープ

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
浙江省の名菜といわれる『宋嫂魚羹│南宋風スズキのあんかけスープ』のレシピを紹介します。歴史ある非常に有名な料理です。

『宋嫂魚羹』は南宋時代の名菜で、今日より800年も昔に名付けられた料理です。宋の呉自牧によって書かれた料理の紹介本《夢粱錄卷十三 鋪席》には、“杭城市肆各家有名者”,“錢塘門外宋五嫂魚羹”と宋の時代に既に杭州の名菜として非常に有名だったことが分かります。

宋の周密によって書かれた《武林舊事》という書物に皇帝にまつわる料理として記載されているので簡単に紹介します。1179年3月15日、宋の第十代皇帝高宗趙構が西湖を遊覧しているとき、おなかをすかせた皇太子は近くにある『魚羹』の店が著名であることを聞き、部下に命じて買いに行かせます。西湖のほとりで『魚羹』を売り生計を立てる東京(開封)汴梁出身の宋五嫂という女性は、宋の南遷にしたがって杭州に移り住んできたほどの愛国者で、皇太子は彼女の作った『魚羹』を食べては非常に感動します。その後、船上の客を皇帝の一団だと知らない宋五嫂は、自分が故郷からこの杭州に移り住んだことを高らかに語り、皇帝の一団はそれを聞き王朝の安泰を確信しました。その後皇帝は充分な金銀絹を彼女に送り、その名を王朝中に広めました。これ以降、近隣に住む富豪たちは争ってこの『肉羹』を食べに訪れ、その名は天下にとどろき杭州の名菜と呼ばれるまでになるのです。その後も歴代の料理人が不断の改良を続け、もともと絶品であった味はますます精緻さを極めて行きます。カニ肉を使って作ることから『賽蟹羹』とも言われ、カニの風味が特徴の絶品料理です。

 

西湖を訪れることがあれば、絶対に外せない名品料理の一つです。現地で食べられない方は自分で作ってしまいましょう。非常に高名な料理ですが、材料の下ごしらえさえ終われば調理はほぼ一瞬で終わります。晩御飯のおかずにもおすすめの料理です。


千層蔥油餅│千層葱油焼き

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
本日は『千層蔥油餅│千層葱油焼き』のレシピです。フェイスブックからリクエストいただきました。

普通の『蔥油餅』もおいしいですが、今回はミルフィーユ形式でフワフワに作ってみます。台湾料理のレストランでも時折メニューに載っていることがあります。

伝説によると東漢の時代に山東省で生まれた「焼餅」の一種が原型と言われ、中国各地に伝播する過程で様々に形を変えていきました。現在の台湾『蔥油餅』に似た料理は北京にもあり伝播の過程を研究してみるのも面白いかもしれません。

「千層」というだけあってミルフィーユのようなふわふわの生地が作れます。ぜひ再現してみてください。


番茄炒蛋│中華風トマトオムレツ

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難易度:☆ 調理時間:一瞬
本日は台湾家庭料理の中でも非常に良く食べられる『番茄炒蛋│中華風トマトオムレツ』のレシピを紹介します。台湾だけでなく中国大陸のほうでもメジャーな家庭料理で、学生食堂の定番メニューでもあります。

いまや台湾のトマト農家を始め、世界中で栽培される日本の岡山原産のトマトの品種「桃太郎」。1960年代から研究を始め、品種として認定されたのは1985年、20年以上の交配、栽培を重ねやっと完成した「完熟してから出荷する」トマトは瞬く間に市場を席巻しました。すこし難しい話になりますが、桃太朗はハイブリッド品種であるためF1(第一世代)の種を取り寄せて栽培するのがもっとも間違いなく、安定したおいしさの果実を作れます。桃太朗同士を掛け合わせて作ると著しく味の悪いものが出来ることがあるので家庭栽培を考えている人は注意しましょう。

桃太朗の開発ストーリーはそのまま世界中の果実栽培の縮図や作戦を学ぶことが出来る貴重な例です。植物の品種開発には長い時間がかかりますが、世界中に市場があるため成功すると莫大な利益を上げることが出来るのです。近年いわゆるバイオテクノロジーの発達で、品種開発の速度も大きく上がっているので、数年に一度くらいのペースで今までになかったおいしい野菜や果物の品種が流通します。今まで聞いたことのない名前の野菜や果物がスーパーに並んでいたら、どんどん試してみてください。


台湾お助けコール始めます。

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こんにちは。甘口男です。

GW目前、休みを利用して台湾を訪れる日本人旅行者の方も多いのではないかと思います。

甘口男では、台湾を訪れる日本人旅行者のために、試験的に24時間対応のホットラインを開設することにしました。もちろん日本語対応です。ひとまず試験的に5月いっぱいは運用を続けようと思います。

 ・○○について調べて欲しい。
 ・○○について教えてほしい。
 ・○○に連れて行って!
 ・台湾留学の相談をしたい。
 ・漢方薬売ってほしい。
 ・弁護士さん紹介して!
 ・台湾で怪我・病気をしたが、中国語が分からない。医者に付き添って欲しい。
 ・観光案内をお願いしたい。
 ・トラブル発生!助けて!
 ・○○が欲しいけどどこで売ってるか分からない。代わりに買ってホテルまで持ってきて!(実費)
 ・とにかく困ってる!

以上のような皆さんの疑問・質問・トラブルを海外ローミング対応の携帯電話の直接通話やSMS、WIFI環境下ならSKYPEやLINEでのチャットから対応します(もちろん調査に時間がかかる場合があります)。

例えばHigene本人が出かけないといけないなど、すこし手間がかかる場合は実費と手数料が発生しますが、基本的にはすべて無料でお助けさせていただきます。もちろん日本からの連絡もOK。チャットの場合は気づくのが送れる場合もありますが、基本的に24時間対応します。いつでもどこでも日本人の皆様が安心して快適な台湾の旅を過ごせるよう甘口男がお手伝いします。


電話:+886-(0)988-803-230
SKYPE ID:amakuchi.taiwan
LINE ID:amakuchiotoko


☆各携帯キャリアごとに国際電話の発信の仕方が異なります。電話を掛けられる場合はお手持ちの携帯キャリアの国際電話の掛け方に準じてください。+886は台湾の国番号、0988以降が電話の番号です。

台湾への旅行前にぜひ番号やIDをご登録しておいてください。きっとあなたの役に立ちます!もちろん日本からの質問や事前連絡にも対応します。気軽にいつでもなんでもご質問・ご連絡ください。SKYPEやLINEの通話による留学や生活の相談にも乗りますよ!

賽西施│カニ肉入り卵白ミルクオムレツ

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
本日は『賽西施│カニ肉入り卵白ミルクオムレツ』という香港の家庭料理を紹介します。ドラマに登場する役名が料理名になっている珍しい料理です。

「賽西施(簡体字で赛西施)」とは中国大陸で放映されたドラマ「神醫喜來樂(神医喜来乐)」(2002年及び「神醫喜來樂傳奇(神医喜来乐传奇)」(2013)に登場する女性の役名で、それぞれ沈傲君と金玉婷という中国の女優が演じています。

どちらもドラマの放送直後からその美しさで一体誰が演じているのかと話題になりました。この料理はその美しさを元に作られた…と思っていましたが、実は料理のレシピが公開されたのは1998年でドラマの放映より前です。どういう経緯でこの料理名がつけられたのか気になるところですが、「西施」とあるだけに美しい誰かを模して作られているのでしょう。あまり深くは考察しません。

出来上がりは真っ白フワフワ、卵白で作ったオムレツに、すりおろしたニンジンとカニ肉の赤がアクセントになり、非常に美しい料理です。簡単に出来ますのでぜひ皆様のご家庭でも挑戦してみてください。

鮮蝦什錦捲│エビのワンタン巻き

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
本日のレシピは『鮮蝦什錦捲│エビのワンタン巻き』です。オリジナルは『鮮蝦腐皮捲』といい、湯葉で巻いたものを揚げて作るのですが、この料理ではワンタンの皮で代用します。

この料理に使われる調理法である「捲(巻き付ける)」の漢字は、日本では「巻く」と同じ意味で使われます。「捲」の方は常用外であるため日本では「捲土重来」の四字熟語くらいでしか見かけない難しい漢字となっています。台湾では逆に「捲」の方がメジャーで、「巻」の方は日本のDVDやマンガの巻数を数えるときくらいしか使われません。さらに中国本土では「捲」の簡体字で「卷」という字を使うので、日台中で同じ意味でちょっとずつ字を使う学習者泣かせの字です。

料理自体はとってもシンプルで、家庭料理として中華圏全土で食べられます。パリパリの皮に包まれたプリプリのエビとホクホクのヤマイモをぜひご賞味ください。

香干肉絲│豚肉千切りの中華炒め

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
本日のレシピは『香干肉絲│豚肉千切りの中華炒め』です。豚肉を千切りにすることで独特の食感を出した家庭料理で、筆者もお気に入りのレシピの一つです。

今月はマイナーな料理を紹介しすぎたので、来月からは元祖台湾料理を重点的に紹介していきたいと思います。GWを利用して台湾を訪れるであろう多くの日本人の旅行客のための便利企画も準備していますのでご期待ください。





米国農業統計によると2011年の豚肉の全世界生産量は1.01億トン、2001年から緩やかに生産量の増加を続けており、年平均増加率は1.92%です。中国は国・地域別生産量では世界トップ、2011年の豚肉生産量は世界の48.9%にも達します。生産量も安定していますが、ほぼ同じように消費量も増加しています。生産量のほぼ100%が消費されています。

中国に次いで生産量が多いのはアメリカ、それにデンマーク、イギリスなどのヨーロッパ各国が続きます。アメリカとヨーロッパの豚肉生産は高度に機械化、効率化されており生産効率に関しては中国ははるかに及びません。つまり中国の豚肉生産は投資や技術開発により今以上に延びる余地が多くあり、中国のお金持ちたちには安定した先物の投資先としても大人気です。

普通の人は余り縁のない農業統計のデータですが、詳しく見てみると世界の各分野の趨勢がよく分かって面白いですね!




雞絲金針菇│鶏むね肉とエノキタケの炒め物

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
本日は『雞絲金針菇│鶏むね肉とエノキタケの炒め物』という簡単家庭料理のレシピを紹介します。「冷やし中華の具だけを調味料で炒めたもの」と説明すれば非常に分かりやすい料理です(笑)。

鶏むね肉はその他の肉類に比べて高たんぱくで低脂肪、低カロリーでダイエット食品として古くから使われてきました。台湾の中医師にダイエットの相談にいくと十中八九、毎日鶏むね肉を食べるよう勧められます(笑)。

さて、つい先日(2014年3月末!)東京大学の研究者らにより、鶏むね肉100gあたり1.2gと豊富に含まれる「イミダゾールジペプチド」に脳の老化予防効果があることがわかり、にわかに注目を浴びています。アルツハイマーなどに予防効果がある可能性があるそうです(日本農芸化学界、2014)。時事通信の配信で速報にもなっているので興味のある人は、記事を読んでみましょう(→記事)。

注目すべきはこの記事の中国語版。日本での配信翌日には中国でもニュースになっていました。短いので全文を抜き出してみましょう。

吃鸡胸肉或有助改善记忆 
鸡胸肉是很普通的食用肉之一,日本研究人员发现,鸡胸肉中富含的咪唑二肽具有改善记忆功能的作用。 

 新华社东京3月30日电 (记者蓝建中)鸡胸肉是很普通的食用肉之一,日本研究人员发现,鸡胸肉中富含的咪唑二肽具有改善记忆功能的作用。
 随着年龄的增加,人脑内与记忆功能有关的部位会逐渐萎缩。东京大学以及日本国立精神和神经医疗研究中心的研究小组在30日于川崎市举行的日本农 艺化学会年会上宣布,他们让中老年志愿者在早饭和晚饭时摄取鸡胸肉,持续3个月后,发现志愿者脑内与记忆有关部位的萎缩趋势受到遏制。
 咪唑二肽是由氨基酸构成的,在肉类中,每100克鸡胸肉含有1.2克左右的咪唑二肽,比猪肉、金枪鱼和鲣鱼等肉类中的含量还要丰富。
 研究小组认为,在实验过程中,这些志愿者每餐相当于摄取了0.5克咪唑二肽化合物,今后的课题则是研究在日常饮食中食用鸡胸肉的真正效果。
  为了弄清这种鸡胸肉成分对大脑产生影响的机制,研究小组正在利用实验鼠继续开展实验。
(→ソース)

中国語版の記事でタイトルにでかでかと記憶の改善作用があると言っていますが、実際は「脳の記憶に関する部分が加齢と共に萎縮するのを予防した」ということなのでちょっと間違ってますね…。

筆者は中国語版のニュースを最初に見つけてしまったので、「咪唑二肽」がイミダゾールジペプチドを指すのを理解するまでちょっと時間がかかりました。「肽」がペプチド、それに「二」が付いているのでジペプチド、「咪唑」がイミダゾールの中国語ですね。化学方面の中国語は日常生活でまず使わない漢字を数百も新たに覚える必要があるのでとても大変です。中日辞書にもほとんど載ってないので、専門の中英辞書をあたる必要がありますしね…。筆者も中国語で有機化学を再勉強してみようかなと考えては挫折したことがあります(笑)。

というわけで中高年で最近記憶力が…と感じる方は、すこし多めに鶏むね肉を摂って見てはいかがでしょうか?

ちなみに、日本農芸化学界のこの鶏むね肉に関する発表の直後は、同じく東京大学の研究者らによる「鶏肉由来高機能ジペプチドの免疫調節作用」という発表です。同じ「イミダゾールジペプチド」による新しい発見があったようです。とても興味深いですね!

写真は春菊とニンジン、ピーマンを加えたもの。

涼拌螺絲瓜│ねじ巻きキュウリの浅漬けサラダ

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難易度:☆ 調理時間:2時間
本日は『涼拌螺絲瓜│ねじ巻きキュウリサラダ』のレシピを紹介します。手軽に作れる上、食感も面白いのでちょっと変わったサラダを準備したいときなどにおすすめです。

この料理で使われるキュウリの原産地はインドだと言われており、インドから中国経由で日本に伝わりました。日本の農業規格では小型のものしか認められていませんが、中国ではヘチマほどもある巨大なキュウリが食用にされることがあります。

キュウリは大別して生食するものと熟してから食べるものの二種類があります。日本では90%以上が生食する品種で、熟したキュウリを食べたことがある、または食べられるのを知っている人は希でしょう。筆者も中国に行くまで日本のあの細くて緑色のものがキュウリの全てだと思っていました(笑)。

中国には西漢の時代にシルクロードを旅した張騫によって伝わりました。なんと紀元前2世紀の話です。西方からもたらされたため「胡瓜」と呼ばれます。その後、隋煬帝が胡人を忌避したため「胡瓜」から「黄瓜」と名前が変わり、この表記が日本に伝わってキュウリと呼ばれるようになります。

中国では一時期完熟させてから食べる品種が大流行し、その習慣が江戸時代に日本にも伝わったため、本来生食すべき品種を完熟させてから食べるという間違った食べ方が蔓延してしまいました。生食する品種を完熟させてから食べると苦味が出てキュウリ特有のさっぱり感がまったくなくなってしまいます。この間違った食べ方が流行したため江戸時代のキュウリは「毒のある野菜」と考えられ特に注目されることはありませんでした。明治時代以降品種改良が進み現在のようなおいしいキュウリが食べられるようになったのです。

琥珀白玉捲│サーモンのタケノコ巻きギンナンとアスパラ添え

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
ちょっと高難易度の中国家庭料理『琥珀白玉捲│サーモンのタケノコ巻きギンナンとアスパラ添え』のレシピを紹介します。使う材料は非常にシンプルで、組み合わせの妙が生きる料理です。

本来はただサケの切り身をタケノコで巻いたサーモンのタケノコ巻きだけを『琥珀白玉捲』と呼ぶのですが、レシピではアスパラガスとギンナンを添えています。

このブログでは何度か紹介していますが、この料理で使う真っ赤な身が特徴のサケは実は白身魚の一種、その身に含まれるアスタキサンチンという色素が赤いために本来は白身のクセに赤く発色して見えます。 同じく身が赤く発色するマスも実は白身魚です。彼ら白身魚のクセに赤い魚は甲殻類の殻から摂取した成分を体内で蓄積し身に含むのです。甲殻類の殻を茹でると赤くなるのは、加熱によりアスタキサンチンを遊離するためです。

いつもは真っ赤な身を持つサケ、卵であるイクラの赤もこのアスタキサンチンの色です。産卵のためサケは川を遡上するときの傷から体を守るために皮膚部にアスタキサンチンを集中し、卵を酸化から守るため残りのアスタキサンチンをすべて卵に移動させます。つまり産卵直後のサケは本来の白身に戻るのです。通常のサケと比べて著しく味が落ちるので普通はイクラだけを取って廃棄されますが、一度白い身のサケをおいしく調理していただいてみたいものですね。

アスタキサンチンは近年眼病予防、加齢防止、白内障防止などの効果があるとして注目されているルテインと構造が非常に似るキサントフィル類に分類されています。一部のキサントフィルには強大な抗酸化作用があり抗腫瘍薬としての可能性が期待されています。アスタキサンチンにもそのうち新しい薬効が見つかり、サケの身が売り切れるほどのブームになるかも知れませんね。

蠔油鳳翼│手羽先のオイスターソース焼き

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
ビールのお供に最適『蠔油鳳翼│手羽先のオイスターソース焼き』のレシピを紹介します。調味料につけてフライパンで焼くだけの簡単料理です。

中国広東省には「蠔豉」と呼ばれるカキを塩茹でした後乾燥させた調味料があり、この塩茹でしたときの煮汁「蠔水」をベースに開発されたのがオイスターソースだと言われています。1888年に李錦裳という人が発明し、販売を開始したオイスターソースは今では広東料理や台湾料理では欠かせない調味料となりました。実際は発明というほど狙って作ったものではなく、茹で汁の火を消し忘れて濃縮された液が煮詰まっており、それを味見したらおいしかったという偶然から見つかったもののようです。

李錦裳の作った会社「李錦記」のオイスターソースは日本でもおなじみです。オイスターソースが発明されてからまだ120年余りですが、中国の家庭では日本の醤油や味噌ほどに普及しています。

素食(野菜のみを使った料理)の発達した台湾では、シイタケの旨味エキスを使った素オイスターソースも流通しています。植物性の材料だけから作ったとは思えないほど濃厚な味わいが特徴で、料理好きには絶好のお土産になることでしょう。台湾各地のスーパーで「素食蠔油」などの名前で売られていますので、興味がある方は購入してみましょう。甘口男でもメールいただければ購入できます。


酸辣海帶絲│中華風糸昆布和え

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
本日は夏にピッタリの海藻料理『酸辣海帶絲│中華風糸昆布和え』のレシピの紹介です。ビーフンやソーメンとあわせてもいいでしょう。

この料理で使われる「海帶」とはコンブのことで、日本と同じように「昆布」とも書きます。どちらもコンブの中国語表記として通用するのですが、海帯の方が一般的、昆布はどちらかというと日本産のコンブか、生薬を指すことがおおいようです。

コンブは梁の時代に書かれた神農本草経の追加本《名醫別錄》に「昆布」として記載されており、その説明は「味咸、寒、无毒。主治十二种水肿、瘿瘤聚结气、 疮。生东海。」とあります。現在は「根昆布」という名前で中国医学の治療薬として使われることが多いです。

さて、この「根昆布」 、近年日本のテレビで取り上げられたこともあり、健康食品としてかなり注目を集めています。昆布の成長点(植物の細胞分裂が活発に行われる場所)は根にあるので、葉や茎よりも栄養成分が豊富です。漢方薬局では乾燥させた「根昆布」が格安で買える事があるので、興味がある方はたずねてみるといいでしょう。もちろん甘口男でも売っています。メールにてお問い合わせください。

コンブは水をかけると粘りながら膨張する性質があり、日本では古くはお城の石垣を作るときに、石を滑らせる下敷きとして使われていたこともあるそうです。古くから有用植物として役立っていたのですね!


蘿蔔乾雞粒炒飯│切り干し大根と鶏むね肉のチャーハン

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
久しぶりに中餐丙級證照シリーズから『蘿蔔乾雞粒炒飯│切り干し大根と鶏むね肉のチャーハン』のレシピを紹介します。早いとこまとめ終えて本にまとめたいのですが先は長そうです(笑)。

「蘿蔔」とは中国語でダイコンのことで、日本語では同じ漢字で「すずしろ」とも読みます。同じアブラナ科の根菜であるカブなどと同じように、大根にも赤系や緑系の品種があるのですが、日本ではもっぱら白いダイコンしか栽培されないため「すずしろ(清白)」と呼ばれるようになったといいます。

日本でも中国でも古くからの消化を助ける健康食品として知られ、中国には「冬はダイコン、夏はショウガを食べれば医者要らず」ということわざもあります。ダイコンの種は「萊菔子(らいふくし)」といい生薬になります。なかなか万能な植物です。

日本の神社で常世と現世を分ける目印である注連縄には大根締めと呼ばれる結び方があります。他にもゴボウ結びなどがあるそうで、なかなか興味深いですね。日本でも中国でも料理に欠かせない野菜として、また薬として古来より神聖視されていたようです。

ダイコンは稲作と共に中国から伝わったといわれ、その後日本で品種改良されて現在は中国やアメリカにも「大根」の名で再輸出されています。


佛山牛肉│仏山牛肉

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難易度:☆☆ 調理時間:1時間以内
本日はちょっと高難易度の広東料理『佛山牛肉│仏山牛肉』のレシピを紹介します。手順が多いですが、丁寧に作りましょう。

料理名にある「佛山」とは中国広東省の地名で、古く明清の時代には北京、蘇州、漢口と並んで「天下四聚(中国の四大都市)」と呼ばれました。現在も広東省広州、深圳に次ぐ第三の都市であり、貿易や工業の発達著しい超巨大都市です。1980年から2010年までの30年間でGDPが50倍にも増えた恐るべき都市です。

中国武術や映画好きには無影脚でおなじみ「黄飛鴻」の故郷と言った方がわかりやすいかもしれません。

古くは他民族の支配する地域でしたが、晋代に中原の支配地域に組み込まれ、唐代に銅の仏像が発掘され、近隣の仏教の中心になったことで「佛山」と呼ばれるようになりました。中国の各大都市には略称としてその都市が代表する漢字一文字が割り当てられており、「佛山」の略称は「禅」とこれまた仏教に縁のある字が選ばれています。ちなみに北京は「京」、上海は「滬(または申)」です。中国の歴史好きにはいいクイズになりそうですね。

中国を代表する大都市のひとつでもあるのですが高品質な牛肉の産地としても有名で、この料理はその牛肉を使った中国のご当地料理の一つです。煮込んで柔らかくしてから揚げたサクサクホクホクのカシューナッツと、柔らかい牛肉、キュウリのコリコリ感が楽しい絶品料理です。手順を確認しながら調理していってください。


炸提菜八塊│福建風鶏のから揚げ

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
昨日に続き福建の家庭料理『炸提菜八塊│福建風鶏のから揚げ』を紹介します。衣に青海苔を混ぜて揚げるので、とても香ばしい香りのする中華風から揚げです。

福建省では鶏の腰から腿の肉のことを「雞下粧」、それ以外の部分を「雞上粧」と呼び使い分けます。この料理のレシピでは「雞下粧」を使うと指定されていることが多く、日本で再現する場合は腿肉を使って作るといいでしょう。本来は「八塊」の名の通り鶏の腿肉8本を使って八つのから揚げを作るのが正式なのですが、パーティーでもない限りそこまで気にすることはありません。

「提菜」とは福建省で取れる海藻を粉にしたもので、日本で言う青海苔のようなものです。たぶん福建省でも青海苔をそのまま使っていると思うのですが、なにぶん詳細が分からなかったので詳しく説明するのは避けておきます。これについては継続して調査が必要な食材ですね。

和食のような海苔の香りいっぱいの料理が出来ますが、正真正銘の福建料理です。ちなみに青海苔を使わない『炸八塊』は湖南料理!簡単に出来るのでぜひ再現してみてください。

写真は青海苔を使わない湖南料理の『炸八塊』。


腰花海蜇│豚マメとビゼンクラゲの炒め物

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難易度:☆☆ 調理時間:30分以内
福建地方の家庭料理『腰花海蜇│豚マメとビゼンクラゲの炒め物』のレシピを紹介します。豚の腎臓とクラゲを合わせた料理で独特の食感が楽しい料理です。

海蜇とは日本語でビゼンクラゲといい、中華料理では高級食材として扱われます。日本近海、特に瀬戸内海や有明海では捨てるほど獲れるので中国向けに輸出したりもしているそうです。

普通は直径50cm、大型のものは1mを越えるサイズにまで成長します。体のほとんどは水分なのですが、残りの部分には海中生物らしく昆布やワカメなどに匹敵する非常に高濃度のヨウ素を含み、中国では健康食品としても注目が集まっています。その他必須微量元素やビタミンを多く含み、まさに海の恵みを体現した食材といえます。

ちなみに中国内陸部に住む人々は慢性的なヨウ素不足が問題となっており、近年はサプリメントなどの需要が高まっています。もちろん日本人は日常的に海藻から充分量のヨウ素を摂取できるため、通常ヨウ素が欠乏することはありません。

中国でも漁獲がありますが絶対量が少なく、加えて近年日本産の食品がブランド化する中で、日本産の海蜇の価格も上昇しました。日本と中国、台湾で価格が逆転する珍しい食材といえます。

豚腎臓の弾力ある食感に加え、クラゲのコリコリした食感が口の中で踊る珍しい料理です。塩クラゲが手に入ったらぜひお楽しみください。

台湾でも福建料理の店で食べられます!


山藥蘋果牛奶│ヤマイモリンゴミルク

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難易度:☆ 調理時間:一瞬
本日は『ヤマイモリンゴミルク』という薬膳ドリンクのレシピを紹介します。食欲不振や消化不良に効果のある冷たいドリンクです。

この料理で使われるリンゴ、日本語では漢字で「林檎」、中国語では「蘋果」とと表記します。本草書《本草綱目》にも記載のある植物で、もともと中国でも「林檎(りんきん)」の名で呼ばれていたようです。林檎とは字の通り「林に檎(鳥)を呼び寄せる」の意味です。

現在日本で食べられているリンゴはセイヨウリンゴといいヨーロッパからもたらされたものですが、それ以前は和リンゴという同属の別の植物を食用にしていました。平安時代には「利宇古宇(りうこう)」と呼ばれており、これが訛ってリンゴになったといわれています。さて、中国にもヨーロッパのリンゴがもたらされる以前は、固有のリンゴが栽培されており、これらがそれぞれ林檎、柰、花红などと呼ばれていました。これらは現在でもセイヨウリンゴ以外の別種のリンゴの漢名として通用します。

「蘋果」の「蘋」の字はもともと浮き草の意味なので、リンゴの名前に付けるのは不自然な気がしますが、セイヨウリンゴが中国に入ってきたときに、どういう理由かこの漢字が使われることになり、今でも通用しているというわけです。

個人的には「柰」の字がかわいらしくて素敵だと思います。


蕃茄咕咾肉│トマトゴクリ肉

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難易度:☆☆ 調理時間:30分以内
本日は『蕃茄咕咾肉│トマトゴクリ肉』のレシピを紹介します。以前紹介した『咕咾肉』は酢豚の原型になった料理とも言われ、それにトマトを加えたものです。

トマトの漢名は「蕃茄」ですが、中国の大部分では「西紅柿」という表記が定着しているようです。近いうちに正しい名前が書き変わりそうな趨勢です。

トマトは全世界で生産される野菜の中でも、加工されて流通するものとしてはダントツの生産量トップを誇ります。大量のビタミンCが含まれるため加熱するだけで長期保存が可能になり、缶詰、瓶詰め、ケチャップ、その他ソースの形態で世界中に流通しています。栽培する土地の水分や塩濃度により同じ品種でもまったく違う味の実を付けるのも特徴で、世界のどこでも生産されているため、海外旅行時に日本のものと食べ比べてみるのも面白い野菜です。ちなみに世界の総生産の三分の一は中国で作られています。

全ての野菜の生産量ランキングでも1位のジャガイモ、2位のキャベツなどに続いて、堂々の6位にランクインしています。栽培も簡単なので、家庭菜園で自分だけの味を極めてみるのも面白いかもしれませんね!



八珍湯│八珍湯

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難易度:☆☆ 調理時間:1時間以内
本日は『八珍湯│八珍湯(はっちんとう)』という本格薬膳スープを紹介します。ちょっと説明が難しい部分もあるかと思いますが、お付き合いください。

『八珍湯』の八珍とはそのままスープに使用する生薬の数を表しています。しかしレシピをよく見ていただくと分かるように全部で10種類の生薬が使われていますね。なぜでしょう?これは以前紹介した薬膳料理『十全大補湯』などにも通じるのですが、生姜、大棗の二つは多くの場合使われている生薬の数に数えないことになっています。あまりにもいろいろな処方に使われすぎて、いつからか入っているのが当たり前、最初から頭数に入れないことになっているのです(笑)。

ちなみにこの『八珍湯』に黄蓍と桂皮を加えると『十全大補湯』になります。漢方薬に詳しい方ならご存知かも知れませんが、この『八珍湯』は更に『四物湯』と『四君子湯』に分解できます。これら二つの処方を合わせたものに生姜と大棗を加えた合剤が『八珍湯』なのです。原典である《正體類要》にはその効能として“治傷損等症、失血過多、或因克伐、血氣耗損、惡寒發熱、煩躁作渴等症。 ”とあります。血虚を治す『四物湯』と胃腸病に使う『四君子湯』を合わせた処方だけあって、貧血気味な人の胃腸症状にとても良く効く処方です。貧血や血行不良からくる手足の痺れや麻痺などにもてきめんです。残念ながら日本では『八珍湯』のエキス製剤が保険適用されていないため、この処方を使いたい医師は『四物湯』と『四君子湯』の両エキス剤の名前を処方箋に書いて患者に渡すことがあります。Blog読者の薬剤師の方で、もしこのような処方箋を受け取った方はニヤリとしましょう。

以前、漢方スープで豚肉を煮込んだ『十全大補湯』のレシピと実践編を紹介しましたが、このレシピも非常に滋味深く濃厚な旨味のあるスープが取れます。特にこのレシピのように鶏肉を煮込んだ料理を『八寶雞湯│八宝鶏湯』とも呼び、高級中華料理として三ツ星ホテルなどでも提供されます。ぜひ漢方薬局で材料を手に入れて挑戦してみてください。

だれかエキス製剤で挑戦してみる強者はいませんかね(笑)?『四物湯』と『四君子湯』のエキス製剤一日分ずつで作れるはず…です。最近ちょっと貧血気味で、胃が弱っているという方は、ぜひメールでご相談ください。



薑汁地瓜湯│サツマイモの黒糖ショウガスープ煮

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
本日のレシピは『薑汁地瓜湯│サツマイモの黒糖ショウガスープ煮』です。

漢方や中医学で多くの処方に配合される生姜(生薬学ではショウキョウ、食品としてはショウガと読みます)、その薬用としての歴史は古く、最古の本草書《神農本草経》に中品として記載されています。

乾薑

味辛、溫。
主胸滿咳逆上氣、溫中止血、出汗、逐風濕痺、腸下利。生者、尤良。
久服、去臭氣、通神明。生川谷。
《名醫》曰:生楗為及荊、揚州。九月採。
案:《說文》云:薑、御濕之菜也。
《廣雅》云:廉薑也。《呂氏春秋本味篇》
和之美者、陽朴之薑。高誘
注:陽朴、地名、在蜀郡。
司馬相如《上林賦》、有茈薑雲。

これによると「体を温め止血し、汗をかかせて風湿の痺れや下痢を治す」 など現代とほとんど同じ使われ方をしていたことがわかります。恐るべし中国医学です。

《神農本草経》は後漢の時代に成立したとされるのですが、この時代にすでに詳しい解説があることから、はっきりとした資料は現存していませんが、薬用としての起源は更に遡れます。《神農本草経》の時代は生姜と乾姜を区別せず、すべて乾姜という名前で呼んでいたようです。

南北朝時代にパキスタン語でSANKAと呼ばれていたものを、中国語に音訳して「生姜」と呼ぶようになり、漢字の意味から生と乾燥させたものを区別し始めます。南北朝時代に中国と医学交流のあったイランでは医薬品として使われていた記録が残っているそうなので、医薬品としては数千年の歴史があるようです。

このレシピは簡単でおいしく、しかも体を温めて腸をきれいにするという女性にうれしい効果が目白押し!ダイエットのサプリメントを食べるくらいなら、一食をこれに置き換えて食べてみるといいかもしれません。

芝麻醬涼麵│台湾風冷やし中華

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難易度:☆ 調理時間:一瞬
本日のレシピは『芝麻醬涼麵│台湾風冷やし中華』です。台湾では伝統的に胡麻ベースのタレをで食べます。

日本の夏の風物詩、『冷やし中華』は日本で誕生した日本独自の中華料理で、その原型は1930年代、仙台の中華料理屋が始めた『涼拌麺』だといわれています。この『涼拌麺』以前にも冷やした麺に野菜とゴマソースを絡めた料理があったそうで、はっきりとした『冷やし中華』の由来は分かっていませんが、それ以前に上海や台湾で食べられていた『涼麺』が影響を与えていることは間違いなく、それゆえ名称に「中華」の字が使われています。これが『冷やし中華』として全国に広まるのは戦後になってからのことです。

日本と台湾(中華)の「涼麺」の最大の違いは、麺の冷やし方。氷で冷やす日本の麺と違い、台湾では冷水や扇風機で麺を冷やします。なんと中華料理には麺を氷で冷やすという調理法がないのです。麺を水や氷で冷やすというのは、きれいな水に囲まれた日本ならではの調理法なのです。日本の『ソー麺』のような簡単な麺料理ですら、中華料理発祥ではない理由がお分かりになりましたか?『ソー麺』の材料は台湾のスーパーで簡単に手に入るので、台湾で作ってあげると驚かれますよ!水はもちろんミネラルウォーターを使いましょう。

というわけで、レシピです!


甘麥大棗湯│甘麦大棗スープ

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難易度:☆☆ 調理時間:1時間以内
本日はいつもより本格的な薬膳料理『 甘麥大棗湯│甘麦大棗湯』を紹介します。「かんばくたいそうとう」と読みます。日本で保険適用される医療用漢方製剤にも同名の処方がありますが、紹介するレシピは薬膳料理用ですこし作り方が異なります。

この処方(レシピ)の原典は「金匱要略」と呼ばれる書物で、婦人雑病というカテゴリーにこの処方が出てきます。原典の説明はそんなに長くないので、抜き出してみましょう。

婦人藏躁、喜悲傷欲哭、象如神靈所作、數欠伸、甘麥大棗湯主之。
按:甘草小麥大棗湯、方義未詳、必是詭錯。

註:藏、心藏也、心靜則神藏。若為七情所傷、則心不得靜、而神躁擾不寧也。故喜悲傷欲哭、是神不能主情也。象如神靈所憑、是心不能神明也、即今之失志癲狂病也。數欠伸、喝欠也、喝欠頓悶、肝之病也、母能令子實、故證及也。

方劑:甘草小麥大棗湯方
甘草三兩 小麥一升 大棗十枚
右三味、以水六升。煮取三升。溫分三服。亦補脾氣。

というわけで、ヒステリックな婦人で、喜んだり悲しんだりと感情の起伏が激しく、時に心霊の所作に思えるもので、あくびが多いものに効果があると書かれています。あまり日常生活に支障が出るようだと病院の受診を進めますが、普通の人が一時的に精神のコントロールを失っているくらいならこの薬はよく効きます。気持ちが高ぶって眠れないという方にもいい薬膳です。

子供の夜泣きや癇癪にも使ったりします。結構有名な処方です。神経の高ぶりや精神の浮き沈みが激しい人にはとても良く効く薬膳料理です。

材料は全て日本でも(割りと)簡単に手に入るものばかりですので、ぜひお試しください。

豆漿芝麻糊│黒ゴマ豆乳

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難易度:☆ 調理時間:一瞬
本日は季節を問わず毎日飲める健康薬膳ドリンク『豆漿芝麻糊│黒ゴマ豆乳』のレシピを紹介します。作るのはとっても簡単です。

豆乳に多く含まれるイソフラボンは女性ホルモン様作用があり、女性にはバストアップ、更年期障害改善、美肌効果、男性には前立腺がん抑制、薄毛・脱毛抑制など様々な効果を及ぼします。大豆イソフラボンをはじめとする植物イソフラボンは体内に長時間とどまらずにすぐに排出されてしまうので、一度に大量摂取するよりは毎日少しずつ長期間にわたって摂取する方が効果的です。

続いて黒ゴマ、その健康パワーは皆様の知るところでしょう。有効成分であるセサミンなどのリグナン類は実は腸からは吸収されず肝臓に繋がる門脈という場所から直接肝臓に吸収されます。活性酸素除去効果があり肝臓から直接吸収されるため、肝臓で発生する活性酸素を効率的に除去することができるのです。しかも同じく抗活性酸素作用を発揮するビタミンEも豊富に含みいいことだらけです。さらには鉄、マグネシウム、カルシウムを同じ重量の牛乳よりも豊富に含むため、貧血や骨粗しょう症にも効果があります。このほかにも様々な健康効果があるのですが、うーむ、すごいですね。

この『豆漿芝麻糊│黒ゴマ豆乳』は薬膳料理として肝臓と女性ホルモンが関与する様々な問題に効きそうです。毎日コップ一杯ずつお楽しみください。夏はとろみをつけずに冷やして、冬はとろみをつけて温かくしてお召し上がりください。


檸檬愛玉冰│レモン愛玉ゼリー

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難易度:☆☆☆(作るだけなら☆) 調理時間:1時間以内
本日は夏を先取りした台湾のデザート『檸檬愛玉冰│レモン愛玉ゼリー』のレシピを紹介します。台湾の夜市やデザート店では定番メニューの一つなので、食べたことがある旅行者の方も多いことでしょう。

愛玉は台湾語で「オーギョー」のように発音します。台湾固有の植物でイチジクの仲間です。発見は日本を代表する植物学者である牧野富太郎博士。日本統治時代に行われた第一次植生調査時(1904)に発見され新種として認められました。台湾では古くから食用とされていたようで、その種子を愛玉子(オーギョーチ)と呼んでいました。この現地名をそのまま使って、牧野博士により学名を Ficus awkeotsang Makino と名づけられました。属名は「オーギョーチ」をそのままラテン語で表記したものです。現在は学名が変わり Ficus pumila L. var. awkeotsang (Makino) Corner と呼ばれます。

「台湾通史」という書物に愛玉の名前の由来があるので抜き出してみましょう。

愛玉子:於嘉義山中。舊志未記載其名,道光初,有同安人某居於郡治之媽祖樓街往來嘉義,採辦土宜。一日,過後大埔,天熱甚,溪飲,見水面成凍,掬而飲之,涼沁心脾,自念此間暑,何得有冰?細視水上,樹子錯落,揉之有漿,以為此物化也。拾而歸家,以水洗之,,頃刻成凍,和以糖,風味殊佳,或合以兒茶少許,則色如瑪瑙。某有女曰愛玉,年15,楚楚可人,長日無事,出凍以賣,飲者甘之,遂呼為愛玉凍。自是傳遍市上,採者日多,配售閩、。按愛玉子,即薜荔,性清涼,可解暑。

道光初年といえば1821年ですので、200年近い歴史があるデザートというわけです。発見者も娘の名前を偶然見つけた植物につけるとは…なかなか面白い逸話ですね。

台湾ではこのレシピのようにレモン汁とあわせるだけでなく、ドリンクステーションのジュースに混ぜたり、カキ氷や豆花の具としても使います。

が、そういう軽食店で使われる弾力のある「愛玉」はゼラチンで作られていたりします(笑)。

この愛玉の種子(愛玉子や愛玉籽と呼びます)表面には植物中でも一二を争うほどの大量のペクチンが含まれます。愛玉子を水の中でもむと種子表面のペクチンが溶け出し、これによって水がゼリー状に固まるのです。寒天やゼラチンのように加熱せずにゼリーを作れる珍しい原料で、アイディア次第では色々なデザートに応用が出来そうです。残念ながらペクチンは油で凝固が阻害されるので、牛乳やチョコレートを固めることは出来ませんが、無脂肪牛乳や砂糖水なら固めることが出来ます。理系魂をくすぐられる料理ですね。色々と実験しながらお試しください。

日本では愛玉子は売られていないと思うので、もし試してみたい方がいらっしゃれば台湾から送ります。加熱しないで作れるので小さな子どもでも作れ、何より作るのが楽しく簡単です。ぜひ手の中で水が固まり始めるという不思議な感触をお楽しみください。


水晶雞│水晶鶏

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難易度:☆ 調理時間:3時間
本日は見た目も美しい『水晶雞│水晶鶏』のレシピを紹介します。美しい中華料理のひとつで高級料理店のコースなどでは定番メニューですが、実は家庭でも簡単に作れます。

日本では多くのコラーゲン含有の健康食品が売られていますが、台湾でも日本のコラーゲンが大人気です。筆者も一時帰国の折、多くの友人からコラーゲン含有の健康食品を大量に依頼されます。台湾の友人へお土産に迷ったら、日本のコラーゲンを購入して渡すと間違いが少ないでしょう。

コラーゲンといってもしょせんはタンパク質なので、人体にそのまま吸収されることはありません。いや腸でアミノ酸に分解されて吸収されます。吸収されたアミノ酸は体内で再合成されてコラーゲンになるので、合成に必要な補酵素であるビタミン(V.C)やCo.Aを効率的に摂取した方がいいような気がするのですが…。いままで何人もの友人相談されるたび「コラーゲンをそのまま食べるより、V.CやCo.Aを摂った方がいいよ」と薬剤師の立場からアドバイスして来ましたが、それでもコラーゲンを食べたい、食べてしまうのがアジア女性の心理のようです(笑)。

さて、そんなコラーゲンを多く含む食品の筆頭といえば鶏皮。鶏皮を煮込んだスープを冷やすとゼリーになってしまうほど豊富なコラーゲンを含みます。

今回の料理はその鶏皮に含まれるコラーゲンを固めて作る冷性料理で、「水晶」の名に恥じない美しい料理が出来ます。食べたことのない人には大きな驚きを与えられる料理です。非常に簡単に作れますので、ぜひ挑戦してみてください。


香蕉飴(喜旺糕)│台湾風わらびもち

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
本日のレシピは台湾伝統のお菓子『香蕉飴(喜旺糕)│台湾風わらびもち』です。見た目が似ているため勝手に「わらびもち」と名前をつけていますが作り方は異なります。台湾の古い市場や夜市でならたいてい一つか二つ店があり売られています。日本で作るならお茶受けにも良さそうです。

中国は南京地方にも同名の料理があるのですが、こちらはケーキのような形で台湾のものとは名前が違います。南京に政府を置いていた遷台前の国民党と関係がありそうなのですが、詳しくは分かりませんでした。名前こそ『香蕉飴』と香蕉(バナナ)の字が入っていますが、現代売られているものは色も味も様々です。

プルプルしてかわいらしく、思った以上に手軽に作れるため子供と一緒に作るのもおすすめです。保存料などは何も使わないので保存は冷凍することになりますが、この凍った『香蕉飴』がまた絶品!日本の地方都市で名物として売り出せばヒット間違いなしでしょう!中小の和菓子屋さん、いかがですか?

伝統的なものはどれもそうなのですが、現代風にアレンジすればとても新鮮で目新しいものに早変わりします。新しいアイディアや現代のエッセンスを加えて新しいお菓子を開発してみても…いいかもしれません。

個人的には抹茶で作って薄切りにし、中に生チョコレートを挟んでみたいですね!


當歸黃耆魚湯│トウキとオウギ入り薬膳魚スープ

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難易度:☆ 調理時間:1時間以内
本日はお手軽薬膳料理『當歸黃耆魚湯』のレシピを紹介します。使う生薬はいずれも日本でよく使われるものばかりで、漢方薬局まで行かなくても普通の薬局に頼めば取り寄せてもらえると思います。材料があれば本当に簡単に作れますので、ぜひ挑戦してください。

この料理では3種類の生薬を使います。滋陰作用のある枸杞の説明はまた別の機会においておくとして、今回は残りの二つ、当帰と黄蓍について”簡単”に説明しましょう。どちらも高麗人参と並ぶ非常に有名な生薬で、しかも筆者は黄蓍の研究をやっていたことがあり、詳しく説明しだすととキリがありませんので…(笑)。

当帰といえば補血の生薬。血行をよくしたり、造血に働きかけて貧血を治したりと、血に関する様々な疾患にこれでもかというくらいよく用いられます。甘口男で販売中の抗がん漢方にも時々入っていることがありますが、化学療法などによる貧血にも非常に効果のある生薬です。不妊症や貧血、手足の冷えなど、特に女性に多い病気と切っても切り離せないほど密接なかかわりのある生薬です。

黄蓍といえば補気、補気作用を持つ生薬を代表する存在です。こちらも様々な漢方処方に使われており、高麗人参とならんでアジア全土で非常によく使われます。高麗人参に比べて栽培が容易なため産出量も多く、台湾ではもっとも消費量の多い生薬です。抗がん剤の副作用を軽減させる効果などが見つかっており、近年注目を集めています。

当帰も黄蓍もそれぞれ非常に多くの薬理作用があり、現在でも膨大な数の研究論文が発表されつづけています。 どちらも最も研究の進んでいる生薬の一つといっていいでしょう。そしてどちらも「割りとおいしい」ため多くの薬膳料理に使われます。黄蓍は繊維質なので普通は食べませんが、当帰は煮込むと柔らかくなってそのまま食べられます。今回の料理でも器に飛び込んできた当帰は魚と一緒に食べてみましょう。

それでは、滋味いっぱいの薬膳スープ料理、『當歸黃耆魚湯』です。筆者も疲れたなと感じたら家庭で作って時々食べます。おいしいですよ!



蔥油淋雞│鶏肉と千切りネギのごま油かけ

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
本日のレシピは『蔥油淋雞│鶏肉と千切りネギのごま油かけ』です。熱した油を食材にかけて完成させるなんとも豪快な料理で、日本でも高級中華料理などで使われる技法です。

実は『白斬鶏』にネギを載せごま油をかけても調理できるのですが、今回は簡単に電子レンジだけを使って調理しています。非常に簡単なためおつまみとしてもおすすめです。油の種類を変えても様々な風味の『蔥油淋雞』が出来ますので、いろいろとお試しください。

またレシピでは当ブログでは珍しく電子レンジを使って調理しています。蒸した鶏肉で作るのが普通なのですが、思い切って超簡単にアレンジしてみました。

日本では桜が満開でしょう。台湾にも日本ほどではありませんがいくつか有名な桜のスポットがあります。滞在中の方は陽明山や烏来などに足を運んでみてもいいえでしょう。日本とは一味違った、中華な桜を楽しめます。

さて2013年の台北市では、合わせて5850本の桜が植えられていたそうです。日本とは比べるまでもありませんが、そのうち過半数が陽明山に集中し多くの観光客を集めました。今年も2月の終わり頃から咲きはじめ、今ではもうすっかり葉桜です。のこり半数の桜の大部分は実はここ3年以内に市によって植えられたもので、市内各所に桜スポットが点在しています。「お花見」を観光事業化しようと台北市もここのところ桜の整備に躍起になっており、自治体からの要請で政府も植樹に力を入れています。

さて、この時期どこに行っても桜が拝める日本とは違い、台湾では桜を見るにはそれなりの準備と労力が必要です。写真愛好家の多い台湾では、桜吹雪を取るために桜の木を揺らして花を散らしたり、枝を折って持ち帰ったりするマナー違反が問題になっても居るようです。その辺の気質の違いも含めて中華桜を鑑賞するのも面白いものです。

それではレシピ行ってみましょう。


茄苳雞│アカギの葉と鶏のホイル蒸し

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難易度: 調理時間:2時間
本日はかなり珍しい台湾料理の一つ『茄苳雞│アカギの葉と鶏のホイル蒸し』という料理のレシピを紹介します。作るのはとっても簡単なのですが、材料であるアカギの葉が日本では沖縄以外で手に入らないため、難易度を☆3つとさせていただきました。

材料に使うアカギは中国語名を「秋楓」、「秋風」、「茄苳」などと呼び、学名を Bischofia javanica コミカンソウ科の常緑樹です。台湾には自生しています。中医学では葉を「茄苳葉」と呼び、腹痛や漆中毒の解毒剤として薬用に用います。近年、葉に強力な抗酸化作用が見つかり食道癌や肝炎の治療に用いられたりしています。なかなか前途有望な生薬の一つです。

日本でこの料理を再現する場合は、葉を別の食用植物に変えて作りましょう。蓮の葉、紫蘇の葉、桜の葉など、香り付けに使える樹木の葉なら何でも代用できると思います。

本来は鶏一匹を丸ごと使って作りますが、レシピでは炊飯器を使って調理するため包丁を入れています。大きな鍋で蒸して作れる方はもちろん鶏肉一匹分をそのまま使って作ってみてください。

それではレシピいってみましょう。



番茄牛肉燉飯│ドライトマトと牛肉の中華風パエリア

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難易度:☆☆ 調理時間:1時間以内
本日は西洋風『番茄牛肉燉飯│ドライトマトと牛肉の中華風パエリア』のレシピを紹介します。もしかしてきちんとした西洋風料理を紹介するのは今回が初めてかもしれません(笑)。

台湾、中国では西洋風の料理も漢字で表記されるのはご存知のとおり。グラタンは『奶油焗』、シチューは『炖牛肉』、『煨炖菜』などと言います。料理自体の名前というよりは、材料と調理方法を現したものが多く、慣れないと本当の中華料理なのか西洋料理なのか分かりにくいのが特徴(?)です。日本のいわゆるてんぷらも『炸○○』と○○に材料の名前を一つずつ入れて表します。とても分かりづらいですね。

幸い台湾では、漢字表記をそのまま中国語読みしたものだけでなく、料理名をそのまま日本語で伝えても通じることが多いようです。実は日本統治時代の日本語の単語が多く残っているのは韓国もそうなのですが、かの国では放送や公文章で日本統治時代の単語を使ってはいけないことになっているので、実際に現地で生活してみないと触れる機会はないでしょう。しかし料理だけに限っても「トンカツ」、「ギョーザ」など、韓国の日常生活では今でも普通に通用する日本語が多くあります。

同じように台湾でも統治時代の日本語が数多く残っています。しかも中国語だけでなく音声言語である台湾語があり、かつ言論統制がひかれていない、親日であるという台湾では、日々新らしい日本文化がそのままの名称で受け入れられ続けています。「コスプレ」や「マンガ」などはその最たるものでしょう。料理でも「(日本の)ラーメン」、「寿司」はもちろん、人によっては「つけもの」、「ワカメ」、「どんぶり」なども日本語の発音そのままで通じます。

さて、台湾の立法院では連日大規模なデモが繰り返されています。腹が減っては戦は出来ぬではないですが、おいしいものを食べながら、みなさんもぜひ現在の台湾のことに関心を持って話題にしてください。政治というものの難しさを知るいい機会になるでしょう。時機を見て私も近くに寄って来たいと思います。 

それでは、レシピ行って見ましょう。


茶油雞│茶油と鶏肉のスープ

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
本日は『茶油雞│茶油と鶏肉のスープ』というちょっと珍しい料理のレシピを紹介します。

材料にある「茶油」とは中華料理で時々使われる高級食用油で、その名の通りお茶の木(チャノキ)の種子を搾って作られるオイルのことです。

お茶の油というと「え?そんなのあるんですか?」と驚く人も多いと思いますが、椿油の一種といえば分かりやすいでしょう。皆さんが引用にするお茶はツバキ科ツバキ属の学名チャノキ Camellia sinensis という植物の葉を様々に加工したもので、世界中で愛飲されているのはご存知のとおり。同じツバキ属にはサザンカやヤブツバキなど日本でもおなじみの多くの植物が含まれ、その上界のツバキ科の植物の実からも、それぞれ椿油が取れます。椿油はその原料によって様々な分類があり、原料がチャノキの種子の場合を特に「茶油」、中国語では「清油」などと呼びます。他の椿油も食用に出来るので、茶油が手に入らない場合は椿オイルで代用しましょう。

椿油は日本ではかなりの昔から女性の髪を整えるため、そして日本刀の手入れに、さらに近代ではゼロ戦の燃料などとして使われました。中国では皇帝や高級官僚だけが使える食用油として古代より使われており、現代でも超高級食品であるため庶民はまず家庭料理では使いません。台湾では普通に売られていますが、オリーブオイルより高級なためなかなか使う人はいないようです。


不飽和脂肪酸であるオレイン酸を非常に多く含み、その含量はオリーブオイル以上。非常に健康的な油として各国でも注目され始めているのですが、なにぶん生産量が少ないのと食用としての使用がメディアに注目されていないためまだまだマイナーな存在です。日本ではまだまだ通販でも取り扱っているお店が少ないので、ビジネスチャンスがありそうです。台湾でも生産しているのでだれか輸入してブームを巻き起こしてみませんか(笑)?


茶油を使ってみたい方はメールいただければ送ります。

それでは茶油を使って作る『茶油雞│茶油と鶏肉のスープ』のレシピいって見ましょう。

 
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