醬醃檸檬甕中鵝│レモンの塩漬けと干し野菜とガチョウのスープ

難易度:☆ 調理時間:1時間以内
2010年の客家筵席料理比賽、プロ部門第三位に入賞したコース料理の中から『醬醃檸檬甕中鵝│レモンの塩漬けと干し野菜とガチョウのスープ』のレシピを紹介します。干し野菜とガチョウ肉の旨味を凝縮したすばらしいスープ料理です。

客家料理の醍醐味は、乾燥食材を水で戻して作る旨味たっぷりのスープ料理。鶏肉とレモンの組み合わせは世界中の料理で見ることができますが、塩漬けレモンを使った今回の『醬醃檸檬甕中鵝』は客家料理らしさを全面に押し出したものと言えます。

食材さえ揃ってしまえばあとは煮込むだけで作れます。調理が簡単なのもうれしいところです。塩漬けのレモンやカラシナの塩漬けは自分で作っておきましょう。他の漬物などで代用してもいいと思います。

以下に客家を代表する食材とについて簡単に説明しておきます。

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三.台湾福建地区の主要客家料理(上)

一.粄條
 (一) インディカ米を原料とする。水に浸けたあと米漿を作り、少量の片栗粉を加えて粥状にしてから平底の容器に流し込み、蒸し器で火を通してから一枚のタオル状の粄條を作る。強い弾力があり様々な料理に用いられる。台湾南部の客家は面帕粄と呼ぶ。

(二) 近代に入り粄條は茹でてから他の食材とあわせて食べるという、旧来にはない特殊な食べ方をされるようになった。好みの細さに切り分けた粄條をニラやモヤシなどとあわせて茹で、器に盛りつける。香料や肉料、肉片、豚骨スープなどを加えて一品の料理として提供する。またスープで煮込んだり、炒めたりする調理法もある。

(三) 新年は一年で粄條が最も製作される時期である。『甜粄』、『鹹粄』、『發粄』、『菜頭粄』、『假柿子』などがある。また慶事には『紅粄(龜印)』という、發粄に酵母を加えて発酵させ、再び蒸したものを食べる。元宵節は『菜包(豬籠粄)』、清明節は『發粄』、『蟻粄(艾草粄)』、端午と中元節は『粽子』、中秋節は『平安戲』、冬至は『粄圓』を食べる習慣がある。他にも『芋粄』、『南瓜粄』、『米篩目』、『九層粄』、『水粄(碗粿)』など季節ごとに異なる食材を使った米料理が多数ある。客家では『紅粄』を最も尊重し、富喜、吉祥の象徴として大切な祝祭の捧げ物に用い、供えたものを友人らに配るという習慣もある。

(四) 各種粄料理にはそれぞれ様々な加工法や調理法があるが、最も大切なことはその調理技法や味ではない。客家にとって米食の最大の目的は「満腹になること」であり、また長期間の保存が出来ることである。「不吃巧而吃飽」という格言があるが、客家伝統料理の中で最も重要な精神として語り継がれている。


二.米齊粑
もち米とアワを蒸して作ったもち米料理である。石臼と杵でついて作り、ゴマ、ピーナッツ、小豆などを餡として入れる。また直接ゴマソース、ピーナッツ粉などをまぶして食べたりもする。干しダイコンや肉を使った塩気の利いたものを餡として使う場合もある。手軽に作れて食べるのも簡単なので、客家の住む様々な地域の冠婚葬祭あるいは農業作業中は必ずこれを食べるという伝統がある。近年は政見発表会やコンサート、コンテストなど多くの人が集まる場所でも無料で提供され、参加者に食べさせる。現在の米齊粑はもち米漿の水分を絞ってから、蒸し器で蒸し、更にそれを杵でつくことで作る。しかし伝統的な製法で作ったものとは弾力や味が異なる。

三.醃酸菜
客家を特徴付ける伝統食品の一つである。冬にカラシナを塩漬けにし、観想させて作る。完成品を煮出したものはわずかな苦味と豊富な栄養素を含み、体内の毒素を除き、血を清める作用があるとされる。春節の期間は『長年菜』を食べるとされ、長寿や長期間の発展を祈る。作り方はまずカラシナを天日で1‐2日乾燥させてからコンクリ、または木の容器の中で塩とカラシナを交互に積み重ね、上から石で圧迫する。数日後容器の中には水分が滲み出し、緑色だったカラシナは黄色く色を買える。この状態で半完成であり、容器に入ったまま販売することもある。この状態でカラシナ本来の栄養素は98%以上保存されており、浸けているときに乳酸菌によって産出された乳酸が、他の細菌の繁殖を妨害するため長期間の保管が可能である。酸菜は通常肉類と一緒に調理され、脂っこさを除くために使われる。酸菜は豊富な食物繊維を含み、コレステロール、中性脂肪を低下させ、血流を促進し、動脈硬化を予防し、食欲を増進させる作用がある。また酸菜はスープにも多用され、例えば『酸菜肚片湯』、『酸菜鴨』、『酸菜五花肉湯』などの料理がある。またこれらは年越しに欠かせない伝統料理でもある。

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それでは、極上の客家スープをお楽しみ下さい。

[材料]
ガチョウ肉 ……… 400g
カンピョウ ……… 10g
レモンの塩漬け ……… 50g
カラシナの塩漬け ……… 70g
干し豆 ……… 70g


[調味料]
酒 ……… 少々
塩 ……… 少々
チキンスープ ……… 適量
 (ガチョウの骨を使ってスープを作ると更によい)

[作り方]
1.ガチョウの骨を使ってチキンスープ(ガチョウスープ)を作る。

2.鍋にチキンスープとガチョウ肉、カンピョウ、レモンの塩漬け、カラシナの塩漬け、干し豆、酒を入れ、40分ほど中火煮込んでガチョウ肉に火が通ったら、塩で味を整えて完成。

Point!
材料が揃っていれば煮込むだけで作れます。超簡単です。


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