臘八粥│八宝粥

難易度: 調理時間:1時間以内
仏教と縁の深い中華料理『臘八粥│八宝粥』のレシピを紹介します。様々な穀類を混ぜて作った栄養たっぷりのお粥です。

『臘八粥』は別名を『佛粥』ともいい、材料の数に合わせて『八寶粥』、『七寶粥』、『五味粥』などとも呼ばれます。中国の言い伝えによるとインドから伝わったといわれています。

中国では農暦十二月八日を「臘八節」と呼び、伝統的に先祖の霊を祭る重要な日となっています。この日は(仏教の宗派にも寄りますが)釈迦が悟りを開いた日ともされ、中国各地の寺院でも盛大なお祭りが行われます。仏典によると釈迦が悟りを開いたその時、四大天王が天から降りてきて、金、銀、琉璃、瑪瑙の鉢に『八宝飯』を盛り付けて捧げたそうです。釈迦はそれを受け取り、全てを混ぜ合わせて食べたとされます。これを記念して一部の仏閣ではこの日に粥を作って仏の供養をし、あわせて信者に振舞うことにしました。これが同日の先祖崇拝の祭りと混ざり合いの現在の「臘八節」に繋がります。

唐や宋の時代にこの風俗は非常に流行し、この日には街中いたるところで『臘八粥』を信徒に振舞う僧尼の姿を見ることができたと言います。清の時代には家庭で作られるようになり、先祖を同じくする一族や親しい友人らに粥を分け与えるようになりました。宮廷でも「臘八節」は盛大に祝われ、皇帝、皇后が臣下や支配地域の寺院に米を施す習慣がありました。

人が食べるだけでなく、犬や鶏などの飼育動物の餌に少量の粥を混ぜたり、果樹の幹に粥を塗ったりして「六畜興旺」と「果實豐收」の願いをかけたのです。広大な中華圏全土でこの風習は見られ、長い歴史を持ち、数々の文献でも取り扱われていることから、各時代、各地域のレシピを比較、分析するという試みも行われています。このような研究により、小豆や菱の実などの植物がどのように栽培地域を広げて食用にされることになったのかを、大まかに知ることができるのです。貴族と民衆の食べるものの違いなども知ることが出来、なかなか面白そうな研究です。

もともとは仏教食であったため使うのは穀物のみでしたが、宮廷などで食べられていたものは羊肉やバターなど動物性の材料も使われています。皆様も様々な材料で工夫を凝らした『臘八粥』を作ってみてください。今回紹介するレシピは台湾風のものとなっています。



[材料]
もち米 ……… 70g
蓮子 ……… 10個
小豆 ……… 20g
緑豆 ……… 20g
ピーナッツ ……… 15g
百合 ……… 10g
大棗 ……… 4個
冬瓜 ……… 20g

[調味料]
砂糖 ……… 適量

[作り方]
1.冬瓜以外の材料をよく洗い、1時間ほど水に浸けておく。冬瓜は食べやすい大きさに切っておく。

2.炊飯器に適量の水と共に材料を全て入れ、スイッチを入れる。炊けたらよく混ぜ合わせ適量の砂糖を加えて完成。

Point!
塩を入れたいところですが、通常は砂糖を加えて甘く作ります。

他に加える材料としてはクルミ、アーモンド、桂円、栗、松の実、菱の実、レーズン、カボチャやヒマワリの種などです。カシューナッツやヘーゼルナッツを加えることもあります。宮廷風に羊肉やバターを入れてもよいでしょう。

使う材料が八種類なので『臘八粥』と言います。材料の種類を増やす場合は真ん中の数字を適宜入れ変えてください。ただし伝統的に四と九は使いません。

冷やしても食べられます。



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