坨坨雞│トゥォトゥォ鶏

難易度: 調理時間:1時間以内
たまには少数民族の伝統料理もいかがでしょうか?雲南省「彞族」の『坨坨雞│トゥォトゥォ鶏』という料理のレシピを紹介します。ぶつ切りにした肉を調味料で炒めて作ります。

「彞族(イ族)」は四川省、雲南省、貴州などの中国南部やタイ、ベトナム、ラオスなどにまたがって存在する少数民族で、その総数は750万人以上、ほとんどが中国南部に住んでいます。少数民族とはいえかなり数が多いので、四川省には自治州もあります。

自らを「ロロ(羅羅・倮倮)」と呼ぶことがあり、「ロ」は古代彞族で虎の意味、即ち自らを虎の子孫と考えています。暦も虎を使って表す独特の形式です。彞族の祭祀は4000年前から形を変えずに残されているとされ、長大な歴史を誇る中国人ですら実際に彞族の祭祀を目にすると驚いてしまうといいます。現在も独自の身分制度を持ち、高貴な身分の人は黒い色の衣装を身に纏います。

検索エンジンなどで画像検索していただければ分かると思いますが、非常に美しい服飾文化を持ち、また独特の精霊信仰を持つことが特徴です。祖先を遡ると古代羌族に連なるといわれ、古代の中国医学にも繋がる「巫蠱」、つまり蠱術、蠱毒の文化も継承しています。美しい外観と魔術的な巫蠱に通じているため現代でもフィクションの登場人物として描かれることが多い民族です。

古代中国の伝説上の人物「伏羲」は古くは「虙戲」とも書かれ、両方共に虎の字と関連があることからこの彞族の先祖が神話時代の中国古代王朝と関連があると考えられています。古代の道教は伏羲と関連が深く、いわゆる「太極図」の基原は彞族の白と黒の虎が絡み合った図案であるとも考えられています。他にも彞族に残る伝説には古代の洪水や女媧と関連するものが残されており、中国古代史を研究する上で非常に重要な究対象となっています。

うーむ奥が深いですね。

今回の『坨坨雞│トゥォトゥォ鶏』は今まで紹介してきた主流の四川料理とはまったく関係がないですが、彞族の居住地が雲南から四川にかけて広がっているため広義の四川料理ということで…。

ちなみに中国語の「坨」には「粘りついてひとかたまりになる」という意味がありますが、この料理の場合は当て字です。初めて紹介する台湾以外の少数民族の料理となります。祭祀のときに食べられる肉塊は大きければ大きいほど誠意が込められていると考えます。日本ではけして食べられない料理ですが、日本にある普通の材料で再現が可能です。ぜひお楽しみください。



[材料]
鶏肉 ……… 200g
タマネギ ……… 20g
ニンニク ……… 25g
生花椒 ……… 50g
 (手に入らない場合は乾燥花椒 20gで代用する)
トウガラシ ……… 30g
ネギ ……… 25g
香菜 ……… 10g
 (なくてもよい)

[調味料]
塩 ……… 2g
味の素 ……… 2g
砂糖 ……… 2g
醤油 ……… 10g
花椒油 ……… 20cc
 (レシピ内で作製する)
ごま油 ……… 15g

[作り方]
1.サラダ油30cc(分量外)に花椒10g(本来は生花椒25gを使う、)を浸けて一昼夜冷暗所で寝かせ、花椒油を作る。花椒油の完成。

2.鶏肉を少量のショウガ(分量外)と塩(分量外)を加えたお湯で茹で、火を通す。唐辛子は種を除き、2cmの長さの輪切りにする。ネギは3cmの長さに切る。ニンニクは皮を向き包丁の腹で叩いてからみじん切りにしておく。タマネギは千切りにする。ネギは千切りにする。

3.トウガラシ、ニンニク、塩、味の素、砂糖、醤油、生花椒、花椒油を良く混ぜ合わせソースを作る。

4.火を通した鶏肉の骨を除き、一片3-4cmのブロック状に切り分け器に並べておく。千切りにしたタマネギとネギを上に乗せ、作り方3のソースを上からかけたら完成。

Point!
ソースは加熱しません。花椒やトウガラシは良く洗ってから使いましょう。

正式には普通の鶏肉ではなく烏骨鶏の肉を使います。手に入ったらお試しください。

鶏肉に火を通して切り分けたら冷やしておけば、ソースを掛けるだけで食べられます。冷やしておけばいつでも食べられますので好みで温・冷を作り分けましょう。

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