清宮香鍋油│清王宮火鍋油

難易度: 調理時間:2時間
最近清朝王宮のレシピ集を手に入れてしまったので、そっち系のレシピが続いております。本日は清王宮で作っていたといわれる『清宮香鍋油│清王宮火鍋油』です。『香鍋油』は様々な料理に香り付けに使われる調味料で、紫禁城ではこの油を様々な料理の味付けに使っていたそうで、様々な派生レシピが紹介されています。

この『清宮香鍋油』を使った派生料理ももちろんおいしいですが、何よりこの『清宮香鍋油』自体がすばらしい香りで食欲をそそるので、単品料理としてあえて紹介させていただきます。

中国の古代王朝にはそれぞれ専門の厨房があり、後代によって御前レシピ集(?)が編纂されているものもあります。宮廷レシピは宋代あたりからしっかりとしたものが残されており、現在は書店でも購入ができます。ほとんど研究目的の専門書であるためかなり高価ですが…。

清朝の皇帝が“一日”どれくらいの量の食材を調理して食卓に並べていたか、詳細な資料が残っているので紹介しましょう。もう一度断っておきますがこれが“一日”の食卓に並ぶ食材の量です。

盘肉 22斤、湯肉 5斤、ラード 1斤、羊 2匹、鶏 5匹、鴨 3匹、白菜、キャベツ、香菜、セリ、ニラなどあわせて 19斤、大根など 60本、トウガン 1個、漬物類 30斤、ネギ 6斤、醤油、テンメンジャンなど各種ソース類 各 3斤、酢 2斤、朝夕には主食の肉まん 各8皿(各皿30個)、肉まんそれぞれにソース用のごま油 1斤、ゴマ 1.5合、餡 3合、砂糖、胡桃、ナツメなど 各 12両。その他御茶房が供する茶、牛乳などは、御用牛50頭から取れる毎日 100斤の牛乳、御用井戸から取る清水 12缶、茶葉 10斤など。時代によっても違いますが、清代初期は肉といっても虎、熊、狍、獐、鹿、 山羊、野猪、山鶏、野雉、野鴨など野趣溢れるものを調理していたそうですが、後代になると牛、豚などの家畜肉が増えます。この時代の1斤は約600gです。現在の100人分は越えてるんではないでしょうか。

味付けは材料をぶつ切りにして醤油や香辛料で煮込んだワイルドな満州風、しかし盛り付けには精緻な飾り付けがなされていたそうです。

これが「毎日」の皇帝「一人分」です。 他に皇太后、皇后、太子など、これよりも量は劣りますが、それはそれは豪華な食材を毎日毎日少しずつ食べていたようです。そして食べ残した料理を参考に御侍医が体調を診断して翌日のメニューに反映させたり、間食に養生食を提供したりしていました。

ものによっては現在の中華料理の方がおいしいこともあると思いますが、さすがにこの規模は現在でも真似できるものではありませんね。

そんな清王宮で味付けに使われていた『香鍋油』のレシピです。材料さえあれば簡単に作れますので、興味がある方は再現してみましょう。


[材料] サラダ油 ……… 200cc
鶏油 ……… 250g
ラード ……… 250g
酒 ……… 60cc
花椒 ……… 40g
豆豉 ……… 80g
生姜 ……… 80g
トウガラシ ……… 500g
豆板醤 ……… 150g
白豆蔲 ……… 20g
山奈 ……… 5g
桂皮 ……… 5g
甘草 ………10g
草果 ……… 5g
砂仁 ……… 25g
霊草 ……… 10g
丁香 ……… 5g
月桂葉 ……… 25g
八角 ……… 5g
小茴香 ……… 50g

[作り方]
1.材料を全て鍋に入れ、弱火で1時間、時々かき混ぜながら焦がさないよう加熱する。

2.火を止めて荒熱を取ったらボウルなどに入れ10分ほど置いておく。

3.油の上澄みをすくい取って漉したら完成。

Point!
低温でじっくり成分を抽出しましょう。

このレシピなら油は深い紅色に色づきます。ガラスの瓶などで保存しましょう。ラー油代わりに様々な料理に使えます。

火鍋のほかにも、ラーメンや、魚介類の味付けなどにも使えます。

トウガラシの量は日本人向けには半量程度まで減らした方がよいかもしれません。ちょっとひと手間掛けるなら、割って種を抜いておきましょう。


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