Ayam Buah Keluak│アヤム・ブア・クルア、クルアと鶏肉のマレー風炒め

難易度: 調理時間:1日+下準備
本日は「Nonya料理」を代表する一品『Ayam Buah Keluak│アヤム・ブア・クルア、クルアの実と鶏肉のマレー風炒め』のレシピを紹介します。日本で作るには相当の労力が必要ですので☆三つとさせていただきました。が、その労力に見合う絶品料理となっています。

料理名の「Ayam」は鶏肉、「Buah」は混ぜる、「Keluak」はパンギノキ(Pangium edule Reinw.)の実を表すマレー・インドネシア語です。パンギノキそのものを指してマレーシアでは「Kepayang」と呼ぶこともあります。パンギノキとは熱帯地方に生えるイイギリ科の高木で、中国語名が「潘済木」、「馬来亞大風子」などと呼ばれます。潘済は「パンギ」の当て字、大風子とは科名のイイギリの意味です。中国には自生しない植物なので食用にはしませんが、マレー半島、シンガポールでは「Nonya料理」を代表するレシピであるこの『Ayam Buah Keluak』には欠かせない食材です。

このパンギノキは種子を食材とし、実の形はカスタネットに似て栗の渋皮を硬くした様な殻に包まれています。この「Keluak」自体は有毒なので水に晒すなどの加工が必要ですが、それでも料理に使いたいほど肉類との相性がよく、ネギのようなねっとりとした香ばしい香り溢れる薬味食材です。まさに「マレーシアの食材で中華料理を作った」ような独特の旨味溢れる料理となります。ちなみに同じ料理を豚肉で作ると『Babi Buah Keluak』となります。「Babi」が豚肉の意味です。

日本でこの「Keluak」を手に入れることが出来るかどうかわかりません。なのでこの料理を日本の家庭で完全に再現するのは難しいかと思います。形が似ているクリとネギでなんとか代用してみましょうか…。

Pangium Eduleの実、Keluakです。

台湾の各地にひっそりとある東南アジア街の雑貨店で見かけたことがある気がするので、もしかすると台湾から送れるかもしれません。Higeneの東南アジア熱が冷めないうちに調査に行って来ますので、報告をお待ちください。台北駅前の東南アジア街では売っていませんでした…。

日本に在住の皆様には想像も出来ないかもしれませんが、東南アジア風味満載、そしてどこか中華の哲学を感じる不思議な料理が出来上がります。「Keluak」以外にもタマリンドパルプを使ってタマリンドジュースを作ったりと、日本ではなかなか再現が難しいですが、「Nonya料理」の王道『Ayam Buah Keluak』のレシピをどうかお楽しみください。この料理を紹介せずして「Nonya料理」を語ることができないほどの有名料理です。それではレシピを紹介させていただきます。


[材料]
クルア(パンギノキ)の実 ……… 30個
豚ひき肉 ……… 100g
タマリンドパルプ ……… 大さじ2
鶏肉 ……… 1.5kg
 
[調味料1]
塩 ……… 小さじ1
水 ……… 250cc
水 ……… 1000cc

[調味料2]
エシャロット ……… 150g
レモングラス ………15g
ガランガル ……… 20g
 (ショウガで代用する)
ターメリック粉 ……… 小さじ1
粉末干しエビ ……… 小さじ1/2
一味唐辛子 ………大さじ2
 (好みで量を調節する)
水 ………125cc


[下準備]
1.クルアの実を毎日一回水を変えながら3日間水に浸けておく。

2.クルアの実の台座(湾曲した部分)にマイナスドライバーを当て、ドライバーの背をハンマーで叩いて殻を割り中の果肉を取り出す。(→Point参照)

3.取り出した果肉で色が濃いものを200gほど選別し、包丁の腹や麺棒などで滑らかになるまで叩き潰す。

4.豚ひき肉とつぶしたクルアの果肉と塩を混ぜ合わせ、よくこねる。これをクルアの殻に戻しておく。

[作り方]
1.タマリンドパルプを水250ccに良く溶かし、タマリンドジュースを作る。固形物は取り除いく。

2.エシャロットとガランガルは皮を剥いておく。全ての調味料2をミキサーなどで滑らかになるまで粉砕しておく。

3.鶏肉をぶつ切りにし、作り方2のスパイスペーストの半量を表面に塗っておく。

4.熱した鍋に大さじ2のサラダ油(分量外)をひき、作り方2のスパイスペーストの残り半量を軽く炒めて香りを出す。続いて作り方3の鶏肉を入れ、中火で5分ほど表面の色が変わるまで炒める。

5.水1000ccと作り方1のタマリンドジュース、下準備したクルアの実を鍋に入れる。蓋をして中火で20分ほど煮込み、鶏肉に火が通ったのを確認したら火を止めてコンロの上で荒熱が取れるまで放置する。

6.荒熱が取れたら鶏肉とクルアの実を取りだし、蓋の出来る容器に移して冷蔵庫で1日冷やす。

7.食前に電子レンジなどで温め、器に盛り付けて完成。

Point!
マレーシアやインドネシアではクルアの実を割るための専用の道具がありますが、簡単のためマイナスドライバーで割っています。

下準備に3日、調理を終えて寝かせるのに1日必要です。できたては味が馴染まずそれほどおいしく感じませんが、翌日には最高の料理が出来上がります。

トウガラシの量は現地人向けの普通の量です。日本で作るなら量を減らした方が無難です。

クルアの実を栗で代用すると面白い料理が出来ると思います。甘栗なら下準備なしでそのまま使えると思うので、誰か試してみませんか?

Keluakの実には青酸化合物が含まれており、そのまま調理すると呼吸障害などの毒性を発揮します。数日水に晒すことで有毒成分を完全に抜くことができますので、しっかり水に浸けて毒成分を抜きましょう。

タマリンドパルプは東南アジア食料品店などで手に入ります。日本料理ではほとんど使いませんが、東南アジア料理を作るには必須の調味料です。準備しておきましょう。



2 コメント :

匿名 さんのコメント...

buahの意味が違ってますよー。

Higene さんのコメント...

なるほど!調べなおしたらBuahは「果物」ですね!なんで間違えたんだろう。
ひとまず本文はそのままで残しておくので、コメントを含めて黒歴史としておきます!

ご指摘ありがとうございます!

Higene

 
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