燕窩湯│燕の巣ジュース

難易度: 調理時間:30分以内
薬膳料理『燕窩湯│燕の巣ジュース』です。

中国三大珍味の一つ「燕の巣」、皆さんも一度くらいは聞いたことがあることでしょう。台湾でもお土産品として有名です。漢方薬局に行けばガラスケースに飾られていたりします。

燕の巣に関しては過去の記事で詳しく説明しているので、今回は取り上げません。ここでは燕の巣の栄養や薬効について解説したいと思います。

もともとうっすらと赤や黄の色が付いているのが普通で、市場で出回るような真っ白な燕の巣は多くが漂白処理がされたもの。雑物が少なく白いものは「官燕」と呼ばれ、かなり珍重されます。赤色が付いているものは「血燕」と呼ばれ、色が付くのは「巣を作るまで子供を埋めないので血を吐いてでも作り上げるため」という俗説がありますが、実際は岸壁に含まれる鉄分が雨などで溶け出して巣に浸み込み色が付いたものです。血燕は最高級品とされ非常に高価です。

主成分はムチンでクニクニとした独特の食感が特徴。IL-6やEGF、FGFなど多くのサイトカイン成分を含有し、特に女性の美容に効果があるといわれており、高価ながら非常に人気があります。

古くから薬用に用いられている薬物でもあります。《本草綱目拾遺》から記載を抜き出してみましょう。

燕窩
素燕窩 一名燕菜蔬。

從新云:出漳泉沿海處有之、乃燕銜小魚、春壘之窩中、人取之。
閩小記云:燕取小魚、粘之於石、久而成 窩、有烏、白、紅三色、烏色品最下、紅者最難得、能益小兒痘疹、白色能愈痰疾。
泉南雜志:閩之遠海近番處、有燕名金絲者、首尾似燕而甚小、毛如金絲、臨卵 育子時、群飛近沙汐泥有石處、啄蠶螺食之。蠶螺背上肉有兩筋、如楓蠶絲、堅潔而白、食之可補虛損、已痢癆症。此燕食之、肉化而筋不化、並津液嘔出、結為小窩、附石上、久之與小雛鼓翼而飛、海人依時拾之、故曰燕窩也。似此則形狀功用時候族類、俱有可信。
嶺南雜記:燕窩有數種、日本以為菜蔬供僧。此乃海燕食海邊蟲、蟲背有筋不化、複吐出而為窩、綴於海山石壁之上、土人攀援取之、春取者白、夏取者黃、秋冬不可取、取之則燕無所棲凍死、次年無窩矣。

(中略)

味甘淡平、大養肺陰、化痰止嗽、補而能清、為調理虛損勞瘵之聖藥。一切病之由於肺虛不能清肅下行者、用此皆可治之。開胃氣、已勞痢、益小兒痘疹、可入煎藥、或單煮汁服。

(中略)

老年痰喘 文堂集驗方:用秋白梨一個(去心)、入燕窩一錢(先用滾水泡)、再入冰糖一錢蒸熟、每日早晨服下、勿間斷、神效。 噤口痢。
救生苦海:白燕窩二錢、人參四分、水七分、隔湯頓熟、徐徐食之、立效。

(後略)

《本草綱目拾遺》は1765年、清の時代に書かれた書物です。現在と同じように赤いものを最上品としてたようですね。当時の日本の僧は燕の巣を野菜として食べていたようです。

後ろのほうにはまさに薬膳料理としか言いようのないレシピが記載されています。清肺の効能を持つナシと一緒に煮込んで毎朝飲めば、老人の痰や咳に神効があると書かれています。今回紹介する料理とも似ているので、ナシの季節になれば試して見ましょう。

材料を手に入れるのが難しいかもしれませんが、非常に美容効果が高いのでぜひ一度は試していただきたい薬膳料理です。

品質により重量あたりの価格が変わるので一概には言えませんが、30gで5000-7000円ほどします。

[材料]
燕の巣 ……… 3g
水 ……… 250cc

[調味料]
砂糖 ……… 30g

[効能]
和中開胃、潤肺止咳、美肌

[作り方]
1.燕の巣に50ccほどの温水(分量外)を加え、柔らかくなったらピンセットなどで雑物を取り除く。ザルなどで燕の巣を取り出し軽く水気を切ったら、繊維を一本ずつ分けておく。

2.きれいな鍋に250ccの水を入れ、加熱しながら砂糖を加えて完全に溶かす。砂糖が溶けたら作り方1の燕の巣を加え、一度沸騰させたらグラスに入れて完成。

Point!
燕の巣には品質に関わらず、羽毛などの雑物が混入しています。目で見えるのできれいに取り除きましょう。





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