巴西蘑菇雞│アガリクスと鶏肉の薬膳スープ

難易度: 調理時間:半日
本日はあっと驚く『巴西蘑菇雞│アガリクスと鶏肉の薬膳スープ』という料理のレシピを紹介します。

アガリクス…といえば、がんに効く!糖尿病に効く!など1990年代から2000年代にかけて一世を風靡した健康食品。もともとブラジルで(再)発見されたため中国語名を「巴西蘑菇」などと言います。

日本では一部の商品から発ガンプロモーター作用があることが見つかり、厚生労働省のお達しによって商品を撤去、回収する騒ぎがありました。おかげで現在は健康食品としてほとんど見かけることはなくなりました。当時日本の薬局で勤務していた Higene もこのアガリクス回収騒動をリアルタイムで体験しており、通達の出たその日に真っ青な顔した数人の客が薬局に「頼むからアガリクス売ってくれ!」と詰め掛けてきたのを覚ええています。健康食品神話がもろくも崩れさった瞬間です。まぁ、まだ売ってますけど。

このアガリクス、学名に関しても非常に複雑な変遷をたどっています。薬剤師でちょっと詳しい人なら、当時ヒメマツタケと呼ばれていたアガリクスの学名が Agalicus blazei といったのを覚えているかもしれませんが、現在この名称は別のキノコを指す学名となっています。ぱっと読んだだけでは何がなんだか分からないでしょうが、なかなか面白い話なので Wikipedia から抜粋します。

<引用ここから>
2002年に、Wasserらは当時ヒメマツタケやRoyal Sun Agaricusとして広く栽培されていたキノコがA. blazei MurrilでではなくA. blazei Murrill ss. Heinemとほぼ同一種であることを明らかにし、A. brasiliensisと改名した(不幸なことに既に他種のキノコAgaricus brasiliensis Fr. (1830) に命名されたものと同じ学名を付けてしまった)。しかし2005年、Richard Kerriganによるいくつかの菌種の遺伝的試験や相互生殖能試験の結果、ブラジルで発見されたA. blazeiA. brasiliensis)は北米のAgaricus subrufescensと遺伝的に類似しており相互生殖能があることが証明された。また、これらの試験において、ヨーロッパのA. rufotegulisも同種であることが判明した。分類学的には最も古い命名であるA. subrufescensが使われる。
Agaricus blazei Murrillは完全に有効な学名であるが、全く異なるキノコである。また、Agaricus silvaticus Schaeff. も、一般的な北温帯の森林地帯のキノコの完全に有効な学名であるが、こちらもAgaricus subrufescensのシノニムではない。
<引用ここまで、Wikipediaより>

普通の人には何を言っているのかさっぱりでしょうが、とにかく非常に複雑な学名の変遷があったのです。つまり2005年まで Agalicus blazei と呼ばれていたキノコは、現在 A. subrufescens と呼ばれます。

さて、もともとアメリカで食用にされていたアガリクスは、栽培方法が確立していることもあり日本以外の国では普通に食用にされています。はっきりと健康効果がない!…とも言い切れないとも言い切れないアガリクスは、健康野菜として根強い需要があるのです。乾燥アガリクスを食べたことがある方はご存知かもしれませんが、キノコ類に特有の強烈な旨味成分があり、さまざまな料理に使われます。

台湾でも大手スーパーなら「姫松茸」などの名前で普通に手に入ります。日本で生のアガリクスを手に入れることも不可能ではないですが結構な値段がします。この料理に挑戦する場合は食材探しから始めましょう。がんばってください!別のキノコで作れば難易度が一気に下がります。


[材料]
アガリクス(生) ……… 150g
鶏肉 ……… 1匹分
ハマグリ ……… 150g
ヤマイモ ……… 150g
当帰 ………10g
大棗 ……… 6個
枸杞 ……… 3g
水 ……… 1200cc

[調味料]
塩 ……… 小さじ1/2(適量)
固形ブイヨン ……… 小さじ1

[作り方]
1.当帰と大棗はよく洗っておく。ハマグリは塩水につけて砂を吐かせておく。ヤマイモは皮をむき、薄切りにする。アガリクスはよく洗い、大きなものは食べやすい大きさに切っておく。

2.頭と爪を切り落とし、内臓を抜いたら、食べやすい大きさに切り分け、沸騰したお湯で茹でて全体に火を通しておく。

3.蒸し器に入る深めの鍋に鶏肉、ハマグリ、大棗、枸杞、当帰、ヤマイモ、アガリクス、固形ブイヨン、塩、水を加え、上にラップを貼って蒸し器にかけ、強火で鍋が沸騰するまで加熱する(→Point参照)。沸騰したら弱火にし、3時間ほど蒸して完成。

Point!
直接火にかけてもいいのですが、蒸した方がより透明で、旨味のあるスープが出ます。蒸し器の大きさによっては鍋が入らないと思います。手間はかかりますが、耐熱容器に小分けしてオーブンで過熱したり、電子レンジで数回に分けて加熱するなどしてください。直火での加熱は最後の手段です。直火で加熱するとアガリクスの成分が破壊され、せっかくの健康効果が薄れます。

もっと薬膳風に作るなら高麗人参や黄蓍を適量加えてもよいでしょう。逆に枸杞、大棗、当帰、ヤマイモ(山薬)は入れずに作ってもおいしく食べられます。


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