雙椒雞片│鶏肉のダブルトウガラシ炒め

難易度:☆ 調理時間:30分以内
本日は『雙椒雞片│鶏肉のダブルトウガラシ炒め』のレシピを紹介します。昨日紹介した『』と通常のトウガラシの二種類の材料を使うため「雙(双:ダブル)」の名前があり、淡白な鶏胸肉に刺激的な辛さを加えた料理です。

本日はちょっと趣向を変えて「椒」の字が入った中国の伝説の生き物を紹介します。

古代皇帝の象徴でもあった龍には、実は九匹の子供がいます。それぞれ性格や役割が異なり、時代によっても名前が異なったりするのですが、龍の子供たちは結局龍にはなれなかったという点では一致しているようです。彼ら龍の子たちについて、普通の日本人の皆様はほとんどご存じないかと思いますが、意外な場所で彼ら龍の子供たちはわれわれの生活に密着しているのです。

おそらくもっとも有名なのは「贔屓(ひき、ひいき)」でしょうか。姿はカメに似ており、性格は「重いものを支えるのを好む」ため、中国や台湾では柱の下にカメの姿で置かれることが多いようです。台湾でも寺廟の柱の下や石碑の土台のモチーフとして使われることが多く、その気になって探すと様々な場所で眼にすることができます。日本語の「贔屓(ひいき)する」は、この贔屓を引き倒すと柱が倒れてしまうことから転じて使われるようになった言葉です。

その次に有名なのが「椒」の字をつかった「椒図(しょうず)」でしょう。姿はカエルやカイに似ており、性格は「閉じるのを好む」とされます。名前を聞いたことが有る人は稀でしょうが、台湾や中国を訪れたことのあるほとんどの日本人なら、一度くらいは彼を触ったことがあるかもしれません。閉じることを好むことから門の握り輪を咥えるモチーフとして使われ、寺廟の門などこれまた様々な場所で見かけることができます。西洋では獅子が咥えているあの部分です。

他にも屋根の大棟を止める「螭吻(ちふん) 」(日本のシャチホコの原型) 、お寺の鐘を吊るす部分にある「蒲牢(ほろう)」(こちらは腕時計の竜頭の由来)、監獄の入り口に置かれる「狴犴(へいかん)」、鼎のモチーフに使われる「饕餮(とうてつ)」、さらに水路の出口や橋のモチーフに使われる「𧈢𧏡(はか)」(これは水道の出口を蛇口と呼ぶようになった原因)、刀を吊るす輪や鯉口にあしらわれる「睚眦(がいし)」、香炉の足に使われる「狻猊(さんげい)」などがあります。

贔屓に門の吊り輪にシャチホコに蛇口などなど龍の子供たちは意外な場所でわれわれの生活に密着しているのですね。その気になって探せば、日本の寺でも半分くらいは見つかるかもしれません。興味があれば探して見ましょう。ちなみに台北郊外の故宮博物館に行けば全部見つけることができます。


という分けでレシピ言ってみましょう!

材料にある『剝皮辣椒』の作り方はこちら。


[材料]
鶏胸肉 ……… 150g
剝皮辣椒 ……… 6本
トウガラシ ……… 4本
ショウガ ……… 5g

[調味料1]
塩 ……… 小さじ1/4
固形ブイヨン ……… 小さじ1/4
砂糖 ……… 少々
水溶き片栗粉 ……… 小さじ1
ごま油 ……… 小さじ1

[調味料2]
片栗粉 ……… 小さじ1
卵白 ………大さじ1
酒 ……… 小さじ1

[作り方]
1.鶏むね肉を薄切りにし、調味料2を混ぜ合わせたものに5分ほど浸けておく。浸け終わったら大さじ1のサラダ油(分量外)を加えて軽く混ぜ合わせておく。

2.トウガラシは縦に割った後種を抜き、3-4cmほどの大きさに切っておく。剝皮辣椒も同じ大きさに切っておく。ショウガはすりおろすかみじん切りにする。

3.熱したフライパンに大さじ1のサラダ油(分量外)を加え、ショウガをいためて香りを出す。続いて作り方1の鶏肉を加えて30秒ほど、塊にならないように表面の色が変わるまで炒めたら、トウガラシと剝皮辣椒、塩、固形ブイヨン、砂糖を加える。焦がさないように1分ほど中火で加熱したら、火を止め水溶き片栗粉でとろみをつけ、最後にごま油を振りかけて完成。

Point!
トウガラシは辛味の弱いものを使いましょう。『剝皮辣椒』から十分辛さを得られるので、赤ピーマンなどで代用してもいいと思います。

大さじ1ほどの「トウチ」を加えた『豆豉雙椒雞片』も絶品です。



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