百斬雞│白斬鶏

難易度: 調理時間:1時間以内
中国南部の名菜『百斬雞│白斬鶏』を改めて紹介します。

実はもともと別の料理を紹介しようと思っていたのですが、急遽タイトルとレシピを変更させていただきました。説明の部分だけはその『別の料理』を紹介させていただきますが、変更した理由はお察しください。

「足のあるものは椅子以外何でも食べる」という言葉があるほど、多彩な食材を調理することで有名な広東料理には『百斬狗│白斬犬』という変わった料理があります。名前のとおり犬肉を調理してソースに浸けて食べる料理で現地では路地裏で密かな人気を誇る料理です。

日本では忌避されることの多い犬食ですが、世界的に見て過去食用にしてこなかった国はほとんどありません。 食用にしてこなかった理由としては、英国では伝統的に、モンゴルでは牧羊犬として、イスラム地域では宗教によって忌避されてただけで、それ以外の地域では近代に入るまでほとんどが犬食を行ってきました。

愛玩動物を食用にすることへの批判は西洋からもたらされたものですが、その中心であるヨーロッパでも、近代に入るまではわりと日常的に犬食が行われていたようです。文化的要因以外に犬食を忌避する理由はなく、現在でも中国、韓国では日常的に犬食が行われています。日本でも朝鮮半島からの居住者が多い地域を訪ねれば犬料理を食べることができます。日本で食べられる犬肉は全て中国からの輸入品です。興味があれば『보신탕│補身湯』(『영양탕│營養湯』)などの料理を提供するお店を探して見ましょう。

おなじみ《本草綱目》にも犬肉の記載があります。《本草綱目》には食用に使われる肉類の記載も豊富にあり、これによると「鶏肉は犬肉と一緒に食べると下痢をするため合わせてはいけない」のだそうです。「道教を信じる人は犬肉を避ける」とも、「発狂して死んだ犬(狂犬病)には毒があるので食べてはいけない」などとも書かれてあります。

台湾でも10年ほど前まではこそっと犬肉を提供するレストランがありました。台湾では古くから犬肉を「香肉」と呼び結構な量が消費されてきたのです。2001年に犬猫を食用目的で屠殺することを禁じる法律ができてから、ほとんど見かけることはできなくなりましたが、実は今でもこそーーーっと犬肉は売られています。もちろんおおっぴらに提供したり販売したりすると検挙されるので、「香肉」は「羊肉」と名前を変えて売られています。台湾、特に南部の田舎で周りに民家がないのに不思議と繁盛している羊肉のレストランを見かけることがあれば…、そういうことです。

今回紹介する料理はもともと鶏肉の変わりに犬肉を使って調理するものです。レシピの鶏肉の部分を犬肉に置き換えて作れば、立派な『百斬狗│白斬犬』という料理になります。日本にいる方は普通に鶏肉で作りましょう。



[材料]
鶏肉 ……… 半匹(600g)
香草 ……… 適量
 (なくてもよい)
ネギ ……… 1本
ショウガ ……… 30g

[調味料]
醤油 ……… 大さじ2
水 ……… 大さじ2
砂糖 ……… 小さじ1
味の素 ……… 小さじ1/2
ネギ ……… 少々
ショウガ ……… 少々
ごま油 ……… 適量


[作り方]
1.鍋に水を沸騰させ、よく洗った鶏肉とネギ、薄切りにしたショウガを入れて中火で沸騰した状態を保って5分加熱する。その後蓋を閉めて火を止め15分ほど放置し、肉の一番厚い部分に箸を刺して血が出なければ取り出して冷水に浸けておく。火が通ってなければ再び沸騰させ、火を止めて5分ほど放置して火を通し、冷水に浸けておく。

2.醤油と水を混ぜ合わせ、砂糖、味の素を加えてフライパンなどで沸騰させる。みじん切りにしたネギとすりおろしたショウガを加え、香りが出たら小皿に移し、ごま油を振りかけてソースを作る。

3.作り方1の鶏肉を切りそろえて器に並べ、香菜を散らす。ソースを添えて完成。

Point!
鶏肉は沸騰したお湯でグツグツ煮込まず、じっくり低温で火を通します。この方が身が柔らかいまま調理できます。

特に難しいことはないと思います。この料理のソースは様々な肉料理にもよく合うので、覚えておきましょう。



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