【抗がん漢方】白花蛇舌草 ひゃっかじゃぜつそう Baihuasheshecao

白花蛇舌草 (びゃっかじゃぜつそう、Bái Huā Shé Shé Cǎo)



英名
Spreading Hedyotis Herb、Herb of Spreading Hedyoti

説明
最初の記載は《広西中薬志》 药学通报(1959)12。近代に入ってから発見された生薬でその優れた解毒作用から中国全土で常用された。近年、白花蛇舌草から強力な抗腫瘍作用が明らかになり多くの近代研究が行われている。抗がん作用を持つ植物として世界中で最も有名なものの一つである。

白花蛇舌草から発見されたトリテルペノイドであるウルソール酸には強力な抗がん作用がみつかり、トリテルペノイドの抗がん作用研究のさきがけとなった。現在は白花蛇舌草の他にも様々な生薬から抗がん作用を持つトリテルペノイドが発見されている。

起源
白花蛇舌草の始載は1959年12月に《药学通报》上にて発表された論文“広西中薬志”。アカネ科フタバムグラ Oldenlandia diffusa (Willd.) Roxb, の全草を乾燥させたもの。

別名
蛇舌草、双葉葎、矮脚白花蛇利草、蛇舌癀、目目生珠草、節節結蕊草、鹩哥利、千打捶、羊鬚草など

性味
微苦、甘、寒
《広西中薬志》:“味苦甘、性温、無毒。”
《閩南民間草藥》:“苦、平、無毒。”
《泉州本草》:“甘微酸、性寒。”
《廣東中藥》Ⅱ:“辛渋、寒、無毒。”

帰経
入胃、大腸、小腸経。
《広西中薬志》:“入心、肝、脾三経。”

中医における効能
清熱解毒、消癰抗癌、利湿

配合応用
  1. 白花蛇舌草は近代に入って使用されるようになった新しい生薬である。良好な解毒消癰作用を持ち内用外用に用いられる。
    1. 消癰抗癌、蛇毒を治す。
      • 癰腫瘡毒には、銀花、連翹、野菊花などと配合して用いる。
      • 腸癰を治すには紅藤、敗醤草などと配合して用いる。
      • 毒蛇咬傷には生草を搗いて患部に外用するほか、半辺蓮、蚤休、紫花地丁などと配合して内服する。
      • 近年多くの研究によって各種の癌に効果があることが立証され、その他の抗腫瘍薬などと合わせて用いられる。
    1. 白花蛇舌草は清熱利湿通淋作用を持つ。
      1. 熱淋渋痛を治す。
        • 小便不利には、白茅根、車前草、石韋などと配合して用いる。
        • 茵陳、黄柏、梔子などと配合して用いる。
      2. 保肝利胆作用がある。
        • 夏枯草、甘草と配合した三草湯 《陕西中医、(1991)、09》
          • 加味三草湯
            加味三草湯(白花蛇舌草、夏枯草、甘草、白芍等)
            治療慢性肝炎78例、総有效率78.20%。同時對其進行臨床免疫學檢測、發現免疫學數據變化對指導中醫臨床分型論治與症状、體證改善無明顯聯繫。
            [三草湯:白花蛇舌草31.25g、夏枯草31.25g、甘草15.625g、製成糖漿劑服用]

    成分
    Aspruloside。
    脂肪酸および脂肪酸エステル類:asperulosidic acid, deacetylasperulosidic acid, scandoside methyl ester, 6-O-p-hydroxycinnamoyl scandoside methyl ester, 6-O-p-methoxycinnamoyl scandoside methyl ester。
    アントラキノン類:2-methyl-3-hydroxyantheraquinone, 2-methyl-3-methoxyanthraquinone, 2-methyl-3-hydroxy-4-methocyanthraquinone など。
    トリテルペン類:ursolic acid, oleanoic acid, β-sitosterol, stigmasterol, β-sitosterol-β-D-glucoside, p-coumaric acidなど。
    フラボン類:kaempferol 3-O-[2''-O-(E-6''-O-feruloyl)-β-D-galactopyranosyl]-β-D-galactopyranoside, kaempferol 3-O-[2-O-(6-O-E-feruloyl)-β-D-glucopyranosyl]-β-D-galactopyranoside,  quercetine 3-O-[2-O-(6-O-E-feruloyl)-β-D-glucopyranosyl]-β-D-galactopyranoside。

    抗がん作用
    抗がん作用の本体はトリテルペン類であるウルソール酸、オレアノール酸であるといわれている。
    白血球・マクロファージの機能を著しく高め、免疫力を高める。
    肝細胞を修復する。
    がん細胞のアポトーシスを誘導する。
    癌の増殖を抑制し、癌の発生を抑制する。
    ほとんど有害作用を示すことなく、がん細胞の増殖を抑制する。
    など、多数の抗がん作用がある。

    臨床では肺がん、鼻腔がん、咽喉がん、舌癌、肝がん、食道がん、胃がん、直腸がん、リンパ肉腫、子宮頸がん、卵巣がん、乳腺がん、白血病、膀胱がんなど熱毒瘀阻で水湿内停の者に用いる。
    1. 肺がん
      白花蛇舌草93g、半枝蓮62g、重楼24g、石打穿、龍葵、丹参、牡蛎、昆布(塩抜き)、海藻(塩抜き)、土沈香各31g、水蛭(油揚げ)9g を毎日1剤、煎じて飲む。2-3ヶ月を1治療期間とする。《重慶市老中医経験交流会資料選編》1979年
    2. 鼻腔がん
      白花蛇舌草60g、半枝蓮、土茯苓、菝葜各30g を毎日1剤、2-3回に分けて煎じて服用する。《腫瘤的弁証施治》
    3. 咽喉がん
      白花蛇舌草、楊梅根、藤梨根各62g、白蘿蔔、牡蛎、海藻、大青葉、虎杖各31g、干蟾皮、山豆根、北沙参各15g、当帰9gを毎日1剤服用する。《浙江省中医院方》
    4. 肝がん
      白花蛇舌草、半枝蓮、薏苡仁各30g、半辺蓮、石見穿、金銭草、丹参各15g、三稜、鬱金各6g、木香、陳皮各9gを証に合わせて増減。一日1剤を煎じ二回に分けて服用する。《湖北医学院附属第二医院方》
      白花蛇舌草、半枝蓮各60g、蒲公英、丹参、薏苡仁、山豆根、醋鼈甲各30g、地丁、鶏肉金各12g、夏枯草15g、橘実、莪朮各9gを煎じ、毎日1剤を服用する。
    5. 食道がん
      白花蛇舌草70g、薏苡仁30g、黄薬子9g、烏薬、龍葵各3g、烏梅6g、田三七1.5gを煎じ、毎日1剤を服用する。《全国中草薬編》
      白花蛇舌草、半枝蓮、蘇鉄葉、白茅根、綿花根各60gを煎じて服用する。《浙南本草新編》
    6. 胃がん
      白花蛇舌草90g、白茅根60g、砂糖適量を煎じ、毎日1剤を服用する。《新編中医入門》
      白花蛇舌草、蜀羊泉各30g、龍葵、石打穿各15gを煎じ毎日1剤を3回に分けて服用する。《腫瘤的弁証施治》
    7. 直腸がん
      白花蛇舌草、仙茅各120gを煎じ毎日1剤を飲む。《新医薬資料、1972、(2)》
      白花蛇舌草、龍葵、忍冬藤各60g、半枝蓮、紫花地丁各15gを煎じて服用する。《填南本草新編》
    8. 卵巣がん白花蛇舌草、半枝蓮各62g、薏苡仁31g、枳核、昆布、桃仁、地龍各15g、鬱金、党参各12g、川棟子、小茴香各9g、紅花3gを煎じ、毎日1剤を服用する。
    9. 白血病白花蛇舌草、板藍根、白英各30g、瓜蔞、重楼、紫草各15g、射干9gを煎じ、毎日1剤を服用する。《福建三明地区医院方》
    10. 膀胱がん
      白花蛇舌草、土茯苓各30g、半枝蓮15g、知母、黄柏各12g、山茱萸、大小薊、蒲黄炭各9g、琥珀粉2gを煎じ、毎日1剤を3回に分けて服用する。《腫瘤的弁証施治》
    もともと解毒薬として用いられていたが、殺菌作用はほとんどない。このほかにも精子生産作用、抗蛇毒作用、肝保護作用、胆汁増加作用、抗肝炎作用などの薬理効果が報告されている。

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