炒A菜│中華レタス炒め


本日は中華には珍しいレタスを使ったレシピを紹介します。他にも『水煮肉片』などが材料にレタスを使っています。本日紹介するのはレタスがメインの『炒A菜』という料理で、その名の通りA菜(レタスの一種)を炒めた料理です。

さて、なんとも奇妙な「A菜」とは何でしょう?簡単に言えば品種改良されたレタスの名前で、イチゴで言う「とよのか」や「とちおとめ」などの品種名にあたります。このA菜も後で紹介する大陸妹も学名で言えばすべてレタスを表す Lactuca sativa です。台湾の市場では普通にこの名前で売られています。

レタスは和名を「苣、萵苣」などと書き「ちしゃ」と読みます。昔田舎のおばあちゃんがレタスをこの名で呼んでいた記憶がありますが、今ではあまり使いませんね。この記事を書くに当たって日本のブログでのA菜や大陸妹の紹介を読みましたが、残念ながら大体間違っていました(笑)。時には完全に間違った情報が載っていることがあるので、頭から信じないようにしましょう。

台湾でいう「A菜」とは球状にならないレタスの一品種のことで、正式な名称を「本島萵苣」といいます。台湾ではこの「本島萵苣」を俗称で「萵仔菜」と書き、台湾語では二種類の異なる発音の仕方があります。一つを「ue-a-tsai」、もう一つを「e-a-tsai」といい、後者の発音がアルファベットのAと似ていることから、転じてA菜と呼ばれるようになりました。

中国大陸部では「本島萵苣」のことを「油麥菜」と呼ぶのですが、台湾では「油麥菜」は同じくレタスの一品種である「大陸妹」のことを指します。おそらくこの部分で混乱が生じているのでしょう。

「大陸妹」は正式名称を「嫩葉萵苣」といい、台湾では多くが大陸からの輸入品であること、また客家語で「妹仔菜」ということから「大陸妹」と呼ばれるようになりました。中国大陸部では「大陸妹」を「蒿仔杆」などと呼ぶことがあります。こちらは半球状になる品種です。

更に紛らわしいことに近年A菜という名称がレタスの代名詞として使われ始めています。「大陸妹」と「A菜」はもともと別の品種ですが、「中国A菜」と買いて大陸妹を指して売られていたりするので注意が必要です。言語は移り変わるものとはいえ、食材の名前がこうも不安定だと料理する人は大変ですね(笑)。

ひとまず、台湾では球状にならないレタスの一種を「A菜」、半球状のものを「大陸妹」と呼ぶと覚えておけばいいでしょう。普通の球状のものはそのまま「萵苣」と呼びます。
 
では、硬い話はここまでにして…、本日のレシピは何の変哲もないレタスの炒め物です。日本のスーパーでも時々A菜を見かけることができるようになりましたので、手に入ったら作ってみましょう。もちろん大陸妹でも作れます。

レタスは加熱すると独特の苦味が弱まり甘みが増します。また催眠、催淫作用を持つラクチュコピコリンという成分を含み、レタス(特に芯の部分)を超大量に食べると眠気が襲ってくることがあります。

その昔、あるある大事典でデータが捏造されたことのあるレタスの催眠効果ですが、眠くなるのは本当です。1/2球も食べるとかなり強烈に眠くなりますので注意しましょう。加熱しても効果は変わりません。



難易度:


調理時間:
一瞬

材料:
A菜(レタス) ……… 300g
ニンニク ……… 3g
一味唐辛子 ……… 少々

調味料:
塩 ……… 小さじ1
酒 ……… 小さじ1/4
水 ……… 100cc


作り方:
1.ニンニクはみじん切りにする。A菜(レタス)はよく洗い食べやすい大きさに切っておく。

2.フライパンに大さじ2のサラダ油(分量外)を引き、みじん切りにしたニンニクを炒めて香りを出す。水を加え沸騰したら塩、酒を加える。最後にA菜(レタス)を加え、サッと炒めた後柔らかくなったら水気を切って皿に盛り付け一味唐辛子を少量振って完成。


Point:
一味唐辛子の代わりに生の唐辛子を一本千切りして加えてもいいでしょう。また唐辛子はなくても作れます。

非常に簡単な料理なので、ゴマを振ったりごま油で調理したりとちょっとしたアレンジで風味が変わります。いろいろと試してみましょう。

油だけでも作れますが、A菜の色が変わってしまうので、レシピでは少量の水を加えて作っています。こうすることで葉の水分を保ったままきれいに炒めることができます。他の野菜炒めでも試してみましょう。


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